ルグジ区の協同組合でも養鶏に取り組んでいる
ハンガー・フリー・ワールド(HFW)が支援しているウガンダ、ルグジ区の協同組合では、2020年から新しい養鶏事業の準備を開始し、43名の参加者(女性33名と男性10名)に2020年12月に鶏のヒナを1000羽、さらに2021年に入ってから453羽販売し、養鶏による収入が参加者の家計を改善しています。
今回の養鶏事業では、生後1ヵ月のヒナを協同組合がまとめて購入し、一部の費用を協同組合が補助する形で、事業の参加者である組合員と地域の農家に販売しました。また、ヒナの販売に先立って、昨年8月には農業経営に関する研修で、養豚や、豆やトウモロコシの栽培などと合わせて養鶏技術を学ぶ機会も提供しています。
鶏の飼育は比較的手軽な予算で始められ、日常的に卵を得られるなど、家庭の栄養状態改善にも効果が出やすいことから、HFWの事業地で多く取り組んできました。これまでの養鶏事業は数羽のヒナを各家庭に無料で配布するという方法でしたが、今回は、住民に自立していく意識を高めてもらうことはもちろん、より多くのヒナを提供し、協同組合の事業として黒字化を目指すため、ヒナの購入費用などを参加者に負担してもらいました。
販売後も、協同組合では、定期的に訪問して飼育状況などを確認し、改善策の提案などを行なっているほか、鶏へのワクチン接種など、参加者を支えています。
協同組合から各参加者が7500ウガンダシリング(UGX)(約225円)で購入したヒナは、成鶏になると市場で3万5000〜4万UGXで販売でき、また卵の場合、家庭内で消費する以外に、1箱1万UGXで販売し収入につながります。(1 UGX=約0.03円)
ルグジ区の協同組合では、養鶏事業のほか、組合員への貸付、預金、トラクターの貸出、共同農園での豆やとうもろこしの栽培に取り組んでいます。協同組合では共同農園で収穫したトウモロコシから鶏の餌ミックスに混ぜるメイズブランを作り、鶏糞を肥料として農業に活用するなど、循環させる試みを少しずつ始めています。
協同組合で鶏に与える餌は、メイズブランやコーヒーかすなど複数の材料を混ぜて用意する
協同組合から購入した鶏に事業の参加者が餌を与える様子。鶏は一列になって食事中
参加者の声
養鶏を始めたことで、子どもたちの学費を払えるようになりました。必要な知識を学んで、協同組合の農家仲間からのサポートも得られるようになったので、飼育する鶏の数を増やして、収入も増やせるだろうと期待しています。
ムリンドワ・ジョージさん(ルグジ協同組合 養鶏事業参加者)
養鶏事業は徐々にですが改善してきています。また、協同組合にとっても新しい組合員の獲得や、収入源、組合員の栄養改善や収入向上の面で貢献しています。今後、私たちはこの事業を拡大し、取り扱う鶏の数も増やしたいと考えています。
とはいえ、獣医師に診てもらえていないことや、輸送の問題など、課題に直面しているのも確かです。例えば、今年に入ってからヒナを輸送する際に143羽が死んでしまいました。用意していたケージが想定よりも小さく、ヒナたちが密集しすぎたのです。再発防止のため、ケージを改良しようと考えています。
(ルグジ協同組合 養鶏事業責任者)