ベナン 地域発展のカギ

生活の基礎となる教育の充実をめざして

HFWが活動するベト村とのその周辺村は、比較的都市部に近い地域ですが、住民とともに実施した調査では、初等教育の就学率、栄養不良児の割合、医療機関への距離などは、ほぼベナンの平均もしくはそれ以下という結果でした。HFWの活動以前、ベト村とその周辺村では、教育機関は人口約8000名に対して小学校1校のみ。中学校以降の教育を継続できないことが、就学率を引き下げる要因となっていたことがわかりました。大人たちの大部分も、小学校低学年までの教育しか受けていませんでした。

識字教室で一心に学ぶ女性たち

識字教室から、地域に貢献する人材が誕生

そこでHFWは、2004年12月から、教育を受ける機会を逃した10代の青少年と大人を対象に識字教育を開始。2015年までにのべ793名が現地の言語フォン語での読み書きと計算を身につけました。卒業生が識字教室の先生になり、地元の人々に教えたり、HFWの事業の推進役になって、率先して啓発活動を実施したりするなど、識字教室で得た能力を、地域のために還元しようと活躍する人材が育っています。また、お母さんたちは読み書きできるようになったことで、新しく商売を始め、収入を得て、家族のために栄養のある食材を購入できるようになっています。この識字教育はこれまでの実績が認められ、2014年に国の認定事業になりました。

識字教室を卒業後、HFWの事業の推進役として活躍

ラジオ、紙芝居、寸劇、歌、ダンスなど、住民に伝える工夫を

識字教室を行う一方で、住民たちの生活に必要な栄養の知識や病気にかからないための衛生の知識、飢餓の問題を権利として捉える「食料への権利」についてなどの啓発活動を、読み書きのできない住民たちも理解しやすいよう、ラジオや、紙芝居、寸劇、歌、ダンスで伝えるなど、さまざまな工夫を凝らして行っています。青少年組織YEHのメンバーたちも、自分たちの在籍する学校などで、同世代の生徒や小中学生に啓発活動を実施するなど、独自に活動をしています。

ラジオを使った啓発

住民自身による事業運営に向かってスタート。行政の巻き込みも

HFWが運営し、地域の医療の中心となっている母子保健センターに、住民で構成された自立委員会が立ち上がりました。地域住民に運営への協力を呼びかけるほか、国の事情で中断されている乳幼児の予防接種の再開を求めて大臣に申し入れしました。また、HFWと住民たちで、耕作放棄地が農地として活用できるよう管轄官庁に訴えるなど、地域の課題を行政に訴え、解決しようとする動きが生まれています。支援を一方的に受けるのではなく、自分たちで自ら地域を良くしていこうという意識が確実に育っています。

(2016.6.30)

予防接種の再開を求めて自立委員会が大臣に申し入れ