ウガンダ 地域発展のカギ

安全な水の確保と、衛生的な環境づくりからスタート

活動地のワキソ県は、首都カンパラ市に比較的近い地域です。しかし、2002年に実施した基礎調査によると、HFWの活動地域では、安全な水や衛生的なトイレの普及率、初等教育就学率や医療施設までの距離、栄養不良児の割合、各世帯の収入などが、国平均並かそれ以下という結果でした。特に2002年当時、きれいで安全な水が得られる井戸1基に対する人口の比率は2000~3000名で、ナッケデ区にいたっては、きれいな水が得られる水源が1つもありませんでした。子どもや女性たちは、何キロも歩いて遠くの泉まで水を汲みに行っていたのです。

遠くまで水を汲みに行く子どもたち

井戸やトイレを建設。管理は住民自身の手で

そこでHFWは、井戸と公衆トイレの建設を進めました。井戸は、2016年6月現在までに浅井戸を70基以上建設し、壊れていた深井戸1基を修理。さらに、建設後10年たった井戸は、水質検査も行っています。これらの井戸の管理は、住民たち自身で選んだ井戸委員会が行い、各世帯から毎月使用料を徴収。修繕費にあてています。井戸の建設と同時に、井戸を清潔に保つことの重要性を繰り返し伝え、管理方法の研修も行いました。衛生的な水が手に入るようになったことで、下痢や感染症などにかかる人が減りました。

住民たち自身で井戸を管理している

住民の協同組合を設立。助成金獲得による新たな事業展開も

住民の大半が農業で生計を立てている活動地では、個人より法人になったほうが、行政の支援が受けやすくなります。そこで、HFWは住民グループを組織し、法人化を支援。2014年までに、活動地の4つのグループが協同組合として国から認定されました。内2つのグループは、助成金を申請。10倍の難関を突破して助成金を獲得し、トウモロコシ事業やケータリングサービスなど、新たな事業を開始しました。順調に利益を上げ、組合員の生活改善につながっています。ウガンダでは若者の収入も限られており、YEHメンバーが自ら加入するとともに、地域の若者にも加入を呼びかけています。協同組合の成功例が他地域にも波及すれば、さらに広範囲での住民の自立につながることが期待できます。

ルグジ区の協同組合の発足式

権利意識を高めることで、行政へ働きかけも

2013年に住民に行った人権意識調査では、子どもの虐待や児童労働、早婚、女性への差別、夫による家庭内暴力などの問題が浮き彫りになりました。ウガンダでは人権という概念がまだ十分に浸透していないため、飢餓をなくすうえで大切な「食料への権利」についても理解が十分でありませんでした。そこで、身近な女性や子どもに対する差別や、土地所有の問題について啓発活動や研修を行い、権利意識を高めることから始めました。土地の問題では、住んでいた土地から不法に追い出そうとする地主に対して裁判所に訴えるなど、研修で得た知識をもとに、しくみを変えようと行動に移す住民が出てきています。「食料への権利」についての研修も継続しながら、住民たちが、さまざまな課題の解決に向けて適切に行動できるよう、サポートを続けています。

(2016.6.30)

土地についての権利研修