最貧層の支援と自立に向けた組織強化に取り組む 女性グループ連合会が活動計画を立案 : 飢餓のない世界を創る国際協力NGO ハンガー・フリー・ワールド HUNGER FREE WORLD     

活動レポート バングラデシュ

2022.12.22 バングラデシュ

最貧層の支援と自立に向けた組織強化に取り組む 女性グループ連合会が活動計画を立案

生活が改善できた事例と、改善できなかった事例を分析

HFWが支援するバングラデシュのボダ郡、カリガンジ郡では10月、計42の女性グループを束ねる2つの連合会が活動計画を策定しました。優先的に最貧層のメンバーを支援することと、連合会メンバーの組織運営スキル形成、連合会の自立に向けた組織強化が計画の柱となっています。

またHFWは、これまで事業の対象の女性たちや女性グループへの個別支援に取り組んできましたが、女性グループの取りまとめを担う各郡の連合会をサポートする後方支援へと、活動の方針を転換しました。連合会は、個々の女性グループのリーダーを中心に、女性たちが情報交換したり相談する組織として形作られてきていました。この連合会が機能することが、女性グループによる地域の「食料への権利」推進の持続的な仕組みにつながると考えたからです。

以前の記事でお伝えしたように、ボダ郡、カリガンジ郡では4月、女性グループと連合会による現状把握のワークショップが開かれました。連合会はこの場で明らかになった事実を踏まえ、活動計画を練り上げました。
ワークショップでは、女性たちの生活の厳しさが浮き彫りになりました。両郡ともメンバーの半数以上が最貧層に位置づけられ、1日3回食べられないか、食べられたとしても栄養価の低い食べ物しかとれていませんでした。

そこで今回、連合会は技能訓練や資材提供を通じて最貧層のメンバーを優先的に支援しつつも、各グループが効果的に活動できるようサポートする連合会自身の組織強化を計画として打ち出しました。まず、連合会を率いるリーダー陣に対して、会計や財務、組織マネジメントなどのスキル形成を行い、同時に、組織体制づくりや事業資金の安定的な確保も目標に掲げました。グループメンバーの生活を向上させるとともに連合会も組織として自立し、近い将来、HFWの支援からの卒業を目指そうとしています。

11月にはカリガンジの連合会が、女性子ども省から法人登録を果たしました。法人登録は連合会の目標の一つであり、今後、行政機関等が提供する研修やシンポジウムへの参加なども可能になります。連合会は自立に向かって、1歩ずつ着実に歩み始めています。

メンバーと話し合いながら計画を立案

政府の登録証を手にしたカリガンジ郡の連合会メンバー(右がメヘラムさん)

この計画は、私たち自身の声を反映させ、私たち自身の力で作ることができました。現在、計画を具体的な取り組みへと落とし込むための準備をしています。ワークショップから計画立案に至るプロセスで多くのことを学びましたし、この経験はこれからの活動にも生かせると思います。

メヘラム・ネサ(カリガンジ郡連合会事務局)

今回、女性グループが自分たちで現状把握を行い、グループをまとめる連合会が活動計画を立てました。HFWの活動は、以前から飢餓の影響をもっとも受ける女性に注力してきましたが、彼女たち自身が計画を策定したのは初めてです。この奇跡を実現させた彼女たちの熱意と知恵を生かして、目標達成まで一緒に旅を続けたいと思います。

アタウル・ラーマン・ミトン(バングラデシュ支部事務局長)

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