住民主導で活動計画を立てるため、グループとメンバーの現状把握を行いました : 飢餓のない世界を創る国際協力NGO ハンガー・フリー・ワールド HUNGER FREE WORLD     

活動レポート バングラデシュ

2022.06.24 バングラデシュ

住民主導で活動計画を立てるため、グループとメンバーの現状把握を行いました

   

各メンバーのグループ活動への参加度も議論

2022年4月、ボダ郡とカリガンジ郡でそれぞれ5日間にわたって、ハンガー・フリー・ワールド(HFW)が支援してきた女性グループのメンバーが集まり、現状を把握するためのワークショップを開きました。ワークショップには村で活動する自助組織ウィメン・エンディング・ハンガー(WEH)など42の女性グループから計155名のメンバーが参加。全グループのメンバー計692名について現状を評価した上で、課題を洗い出しました。

HFWはこれまで、住民の意見に耳を傾けながら支援を行ってきました。しかし今後、両地域が支援を卒業することを念頭に置くと、住民自身が自律的に活動する必要があります。そこでHFWは今回、初めての試みとして、事前にグループの主要メンバーに現状を把握するための組織診断の手法を伝え、彼女たちに進行を任せる形でワークショップを進めました。

参加者は生活レベルごとに定めた「毎日牛乳を飲める」、「毎日3食摂れる」、「家畜を育てている」などの目標を模造紙に書き出し、各メンバーが現在どこまで達成できているかをマッピングしました。その上で「この人は牛乳を他人からもらっているので、ずっと入手できる状態ではないかもしれない」など、評価が適切かどうかを確認しました。
当初は主要メンバーばかり発言する場面もありましたが、HFW職員が促すことで、主要メンバーは次第に、他の参加者の声を引き出すように。最終的には全員が、活発に意見を述べました。

メンバーからは「まだまだ生活が苦しいメンバーもいて、彼女たちは活動にあまり参加していない」など、内情を熟知するがゆえの指摘もありました。ワークショップではこれらの意見を元に、生活が苦しいメンバーの収入を増やす計画を立てること、メンバーから出資金を集めてグループで事業を行うことなど、12の提言をまとめました。

今後HFWは、2つの郡で住民が協力して生活改善に取り組めるよう、彼女たちの計画策定を支援します。さらに、グループメンバー自身による計画遂行に伴走し、必要なサポートも提供していきます。

初めての試みでしたが、皆が納得する分析ができた

各グループの分析が正しいか、互いに確認し合った

Message from Bangladesh

組織診断のやり方を最初に聞いた時は、自分たちにできるか不安でした。でも実際にやってみると難しさはなく、むしろ興味深かったです。どのグループの議論も活発で、特にメンバーの目標達成度合いについては、真剣な話し合いが行われていました。私は最初、議論を進めるのに少し戸惑いましたが、他のメンバーに理解してもらえるよう、一生懸命説明しました。
私たちのグループの課題は、多くのメンバーがいまだに貧しく、グループの貯金も少ないことです。何とかしてグループの資金を貯め、小さくとも事業を立ち上げて、現在活動に参加できていないメンバーを巻き込みたいと考えています。

カルポナ・ラニ(ボダ郡バニアパラ村 WEH代表、ボダ郡WEH連合会 会計担当)

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