実際に使用した封筒も見せながら、これまでの試行錯誤を語った
2月1日、2日、寄付による社会貢献を促進する日本ファンドレイジング協会主催の「ファンドレイジング・日本2014」が開催されました。その中の一つの講座の講師を、HFW資金調達担当職員の石川が務め、「失敗と成功から学ぶ『もったいないキャンペーン』」と題し、「書損じハガキ回収キャンペーン」のノウハウを約60名の参加者を前に語りました。
石川は、1億円を達成し、2012年には同協会から「日本ファンドレイジング大賞」を授与された「書損じハガキ回収キャンペーン」が、細かい改善の積み重ねであることを紹介。その工夫を伝える場面では、以前実際に使っていた回収用封筒のコピーを配布し、返信率を上げるための改善点を参加者に問いかけました。参加者自身が寄付者の立場となることで、おのずと「返信用の切手を不要にする」「封筒のサイズを大きくする」など、実際にHFWも改善した点と同じ意見が出ました。
また、国際協力に関心の低い人々の声にも耳を傾けることを強調。潜在的な寄付者を巻き込むため、「飢餓」に関心は低くても「食」に関心が高い層を会員に持つ団体と連携したり、回収物に子どもでも参加できるディズニーランドの使用済みパスポートを対象にしたりするHFWの事例を挙げ、より大勢の人の参加を促す仕組み作りの重要性を語りました。
金銭を募るファンドレイジング(資金調達)とは異なる切り口の取り組みであったため、質疑応答の時間では「どんな経緯で潜在的な寄付者の重要性に気づいたのか」「どのような回収物が実際に利益を上げているのか」など多くの質問が寄せられました。
この「ファンドレイジング・日本」は、NPOの資金調達活動の国内外の成功例を共有しあう日本最大級のファンドレイジングイベント。年々規模が大きくなり、5年目となる今年は約60もの講座が開かれ、NPO、公益法人職員や学生など全国から約1000名が参加しました。
その中で事例を発表することで、HFWは多くのNPOの強化に寄与でき、またHFWも他団体の講座や情報交換の機会から、活動に生かせるノウハウを学ぶことできた2日間でした。
封筒の返信率を上げる工夫を、参加者同士で話し合う
参加した方のコメント
寄付者だけでなく、一般の方の声から生まれるアイディアをファンドレイジングに生かすことの大切さに気づきました。石川さんのプレゼンテーションも非常にわかりやすく、セッションを通して多くの刺激を受けました。(NPO職員・男性)
参加者を飽きさせない工夫がされていて、とても丁寧に戦略の部分から語っていただいたので、参考になりました。(NPO職員・女性)