2月26日 国連食糧農業機関(FAO)日比所長との意見交換会
日本の食を取り巻くしくみ(フードシステム)を変えることで世界の飢餓や食料問題の解決を目指す学生インターンチームである「フードシステム変革推進チーム(FSチーム)」の2年目が終了しました。FSチーム2期生の馬場が報告します。
今年一年の活動を振り返り来年度に活かすため、2024年2月末から3月にかけ、国連食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所の日比絵里子所長や、「世界食料デー」月間2023参加団体のみなさんに活動の成果を報告し、講評いただく報告会を2回開催しました。
FSチームはこの一年、前年の成果を受け、食料問題に関する課題や取り組みの「つながり」に着目。複雑に絡み合う課題の中から重点的に取り組むべきレバレッジポイント*を探すため、マッピングを活用しての分析に挑戦しました。
*働きかけを行なうことで多くの事象が解決するような、優先的に取り組むべき点(詳細は以下の事業概要をご確認ください)
報告会では、このマッピングの有効性やFSチームの活動について終了時間ギリギリまで多くのコメントや質問が交わされました。
例えば、民間企業対象のマッピングや食育への応用といった、今後のマップの可能性が広がるご指摘は、FSチームの活動の後押しとなりました。他にも、社会人・学生・主婦などのマッピング参加者の属性はデータの一部としてとても重要であるというご助言も、大変学びとなりました。報告会でいただいたご助言を糧に、データの分析と活用の改善を強化し、インパクトの強い活動を目指していきたいと、FSチームの熱意も高まりました。
1期生の調査から「つながり」をテーマとして、新しい手法「マッピング」に挑戦した2期生。3期生では、さらなる活動の拡大と定着を目指し、食料問題解決への糸口を切り開いていきます。
3月1日 「世界食料デー」月間2023参加団体のみなさんとの意見交換会
食料問題は非常に複雑です。マッピングという手法は、そんな複雑な問題をシンプルにまとめることができるとても良い手段だと思います。マップを完成させることにはこだわらず、どのように分析して活用するかが重要となってくるでしょう。例えば、社会全体が食料問題に関して高い意識 を持っているわけではありません。マッピングの対象者を、食料問題への意識が高いグループや低いグループ、どちらでもない中間グループなど、階層ごとに焦点をあてて分析すると異なるデータが取れます。 また、興味関心がまだ固定していない子どもを対象に行なっても、食料問題について考えるきっかけづくりとして効果的と思われます。 民間企業への活用もとても面白いと思います。企業は、営利と社会貢献を両立するために先鋭的な姿勢を持っています。民間企業やすでにある企業同士の連携をピックアップしてマッピングすると、興味深い視点が発見できるのではないでしょうか。
国際連合食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所 日比絵里子所長
社会を変えるのは、発言者のパワーなのでしょうか。食料問題解決に向けて動かないのは、人々が食料の現状を知らないから行動しないのか?それとも時間がないから行動しないのか?など、提言は誰に行なうのか考えないといけません。また、人は言うだけでは変わりませんし、動かないので、どうやって自分たちの影響力を高めていくかも大切です。
特定非営利活動法人 Wake Up Japan 鈴木洋一代表理事
レバレッジポイントを見つけるまでに、すごく手間と時間がかかったことが伝わってきました。ただ、レバレッジポイントから提言につながるまでに具体性がないため、誰に向けて、どこで、どういうタイミングで提案するものなのか詰めていくとより良くなると思いました。
せっかく見つけたレバレッジポイントを提案だけでなく仕組み作りなどさまざまな方向に活かしていくか、検討する余地があると思います。
認定NPO法人ハンガー・フリー・ワールド 籠島康治理事