学生や社会人など、アフリカ問題に関心の高い方12名が参加
10月5日、HFWが参加するNGOのネットワーク「市民ネットワーク for TICAD」は、7月20日~29日にニューヨークで開催された持続可能な開発(SDGs)のためのハイレベルフォーラム(HLPF)(※1)と、8月24日および25日にモザンビークで開催されたアフリカ開発会議(TICAD)閣僚会合の模様を、聖心女子大学で報告しました。SDGsやTICADで約束されたことを実現していくために、NGOとしての提言を一般の人にも伝え、理解と関心を深めてもらい、後押しをしてもらうためです。
報告会では、まず最初にHLPFについてアフリカ日本協議会の稲場雅紀氏が解説しました。2017年は日本を含む42ヵ国が自己評価の報告書を発表したこと。それに対し、NGOを中心とする市民社会がレポートを発行し、各国のモニタリングや検証、お金の流れの管理の弱さが課題であることを指摘していることを紹介しました。また、稲場氏は、アジア各国対アフリカの二国間関係にとどまることなく、東アジア全体とアフリカの関係を健全なものにしていくために、市民社会が協力・連携の道筋を見出すことが重要だと話しました。
TICAD Ⅵ閣僚会合のサイドイベント報告では、HFW職員米良がウォーターエードジャパンの高橋郁氏とともに、会議概要および市民社会のサイドイベントについて話しました。HFWはアフリカ市民社会と連携し提言能力を強化するため、ネットワークの一員として職員を派遣していました。ここでは、サイドイベントがさまざまな立場からの参加があったこと、そして、アフリカの市民社会が何を考え、どのように行動し連携するかを軸に議論がなされたこと、さらに、アフリカの市民社会は、SDGsのみならず、彼ら自身が策定をしたアジェンダ2063(※2)を日本の市民社会と一緒に達成することを重要視していることが紹介されました。
参加者との質疑応答では、先進国主導の経済開発にアフリカ諸国自身が便乗し、資源を切り売りしている現状を本当に開発や発展と呼べるのかということなどについて、活発に議論が交わされました。
※1 HLPFはSDGsの進捗について、いくつかのゴールを選んでグローバルレベルで評価し、各国の進捗を自発的にレビューするフォーラム。毎年の閣僚会議と4年に1度の首脳会議で構成されており、今回の閣僚会議には、日本の市民社会からはNGO/NPOから12名、青少年から10名、協同組合3名、労働組合3名の計27名が参加。
※2 2063年までのアフリカの政治や経済、社会に関する長期ビジョン。アフリカ連合(AU)が結成50年を記念して作成。2015年1月のAU首脳会合にて合意した。アフリカの包摂的成長と持続的開発に基づく繁栄、民主主義と平和と安全などをめざしている。
モザンビークでのTICAD閣僚会合に派遣したHFW職員米良は、アフリカ市民社会の活動と役割について解説