紛争が与える食と若者への影響について、ブルキナファソの事例を学ぶイベントを開催。世界の飢餓についてさらに理解を深めてもらうことができました : 飢餓のない世界を創る国際協力NGO ハンガー・フリー・ワールド HUNGER FREE WORLD     

活動レポート 日本

2018.10.30 日本

紛争が与える食と若者への影響について、ブルキナファソの事例を学ぶイベントを開催。世界の飢餓についてさらに理解を深めてもらうことができました

テロに対抗するために女性と若者への支援が欠かせないと語るコアラガさん

10月9日に「世界食料デー」月間のイベントとして『西アフリカ・ブルキナファソの紛争と若者、そして「食」への影響』について勉強会をHFW事務所で開催しました。講師のコアラガさんは、ブルキナファソの出身で、和平交渉を専門とするNGOの事務局長で、地政学、テロリズム、平和学、青少年活動などを専門分野とする大学講師です。具体的なデータや実際の現地の様子などを交えたお話を聞くことができました。

ブルキナファソでは、2015年以降、周辺国でのテロの影響を受け紛争が頻繁に起こるようになってから、食料を十分に生産することができず、それまでの3倍の人々が栄養不足に陥っています。それを解決するためには、「テロ組織に流れやすい若者や女性を守る」予防が必要だと話されました。労働の8割が農業であるブルキナファソでは、学校を卒業しても職がなく、収入も低い状態です。そこにテロ組織が若者にお金を提供し、勧誘するのです。社会で不平等に扱われている女性も同様で、テロ組織は、巧みに現社会に対しての不満を増幅させ組織に取り込んでいきます。それを防ぐために、コアラガさんは「若者に職を与え、女性が収入を得られるようにすること、さらに、農業生産者が正当な価格で取引し十分な収入を得ること」などが必要で、人間中心の開発事業を進めていくことだと話されました。

テロによって食料安全保障が脅かされている西アフリカ。コアラガさん自身、普段の活動のなかで、若者たちに平和や人権の大切さについて教えています。「ブルキナファソは内陸部のため他国の影響も受けやすい」「1日1ドルも稼げない若者が多い」などブルキナファソの抱える課題について考えることができました。

イベントの最後に職員の儘田が「世界食料デー」月間について紹介し、今日の学びを多くの人に伝えてほしい、と話しました。参加者のみなさんは、NGOの方や海外青年協力隊でアフリカにいたことがある方など関心の高い方が多く、今後の行動につながることが期待できます。

仕事として国際協力に携わっている方など11名が参加

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