乳幼児と妊産婦対象の栄養改善事業(CREN)を行政に移譲。自立の目標に近づいています : 飢餓のない世界を創る国際協力NGO ハンガー・フリー・ワールド HUNGER FREE WORLD     

活動レポート ブルキナファソ

2019.04.25 ブルキナファソ

乳幼児と妊産婦対象の栄養改善事業(CREN)を行政に移譲。自立の目標に近づいています

郡知事のスピーチ

HFWは地域開発の2016-2020年の中期目標として、住民たちの摂取する食料の量と質、および栄養状態を改善する取り組みの成果が表れ、その後、リーダーシップを発揮する住民により取り組みが継続されるようになった状態をめざしています。HFWが2005年から公立の保健センターで行ってきた栄養改善事業(CREN)は、この状態に近づいていると判断し、2018年12月末で支援を終了しました。

この事業は、栄養不良の5歳未満児とその母親が対象で、週3回、栄養価の高いおかゆを提供。定期的に身長と体重を計測して栄養状態を確認し、深刻な栄養不良児は、入院させて集中的に治療しました。また、母親たちには、家庭で実践できるよう栄養バランスのよい食事メニューと調理法などを教えてきました。これまで13年間で保健センター管轄の13ヵ村2219名の子どもたちを支援し、1619名が栄養不良から回復しました。

これらHFWが行ってきた重度の栄養不良児の治療や出産後の母親と乳幼児の健康管理は、本来保健センターが行政サービスとして担うべき業務です。HFWが事業を継続するなかで、その役割を果たすしくみが保健センターで強化されたことと、HFWの活動地4ヵ村に限れば栄養不良がほとんどいなくなったことから、2019年度からは、行政に運営を委ねることになりました。

今後は、HFWは妊産婦対象の母親教室を実施し、治療が必要な妊産婦がいれば母子保健センターを紹介するという、住民と行政の橋渡しをしていきます。他事業も、支援を永久的に続けるのではなく、現地の住民たちが自分たちできちんと運営していく能力を身につけ、しくみが整えば終了し、支援に 依存しない自立した地域づくりをめざします。

 

プロジェクト撤退合意書を交わす郡知事とHFW職員

多くの子どもたちが栄養のあるおかゆを食べて回復した

Message from Burkina faso

この事業によって地域の人々の健康状態がずいぶん改善しました。多くの女性たちが栄養不良について学び、そうならないようにする知識を得ることができました。私自身もこの事業に参加したことで、子どもの栄養や、地元の食材からつくられる栄養満点のおかゆについての知識を得ました。私は小児科を開きたいと考えています。これまでの栄養改善事業でのキャリアは、私の将来に役立つと思います。これまで子どもたちの健康のためにしてくださった日本のみなさんのあらゆる支援に感謝いたします。

バリー・イサカさん(看護師で家族計画主任)

振り返ってみると、CRENで働くすべての人々が、強い責任感と献身をもって仕事に臨んでいました。以前に比べて子どもの病気に関する相談が減りました。子どもが栄養失調でない母親たちは、たいてい私の家で、栄養のあるおかゆについて学んでいます。私は栄養を強化した小麦粉を作って、彼女たちのために販売しています。今後も薬局や市場で販売を続け、子どもたちのために食事を通じて栄養の大切さを伝え、栄養不良をなくす役割を果たしていきたいと思います。

イルボウドゥ・マリアムさん(お粥づくり担当スタッフ)

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