
社会人や学生など66名が参加。日本がTICADにどう関わるか高い関心が集まった
2月7日(土)、JICA横浜でシンポジウム「TICAD Ⅵは来年アフリカで?=アフリカと日本の新しい船出=」が開催されました。TICAD(アフリカ開発会議)は、5年に1回の日本開催が3年ごとに日本とアフリカで交互に開催となり、2016年のアフリカ開催が決まっています。TICADがアフリカ市民に真に役立つものとなるにはどう生まれ変わる必要があるのか。シンポジウムの主催団体である市民ネットワークforTICADの世話人を務める、HFW海外部長・アドボカシー担当職員西岡はるなが登壇。市民社会の立場から意見を述べました。
西岡は、TICADについて、「アフリカの開発の主役はアフリカの市民社会」という理念のもとにアフリカと日本のNGOが協働してきたとはいえ、市民社会の参加はまだ不十分であることを指摘。市民社会が正式な提言の機会や議決権を持つべきであると強調しました。
外務省アフリカ部アフリカ2課課長の中川周氏は、開催地にアフリカが加わり、間隔も短縮したことは、TICAD Vから共催者に加わったアフリカ連合(AU)の要望に基づくものと説明。アフリカの一般市民に日本とアフリカの関わりを知ってもらう機会になると期待を表明しました。駐日モザンビーク共和国特命全権大使のベルミロ・ジョゼ・マラテ氏は、アフリカ開催はアフリカが援助を受けるだけではなく自ら開発を行う足がかりになること、アフリカ発展のためには市民社会のさらならる参画が欠かせないことを強調しました。また、ジェトロ‐アジア経済研究所地域研究センター上席主任調査研究員の平野克己氏は、アフリカで開催されることによってアフリカのオーナーシップを高めるが、同時に受け入れ側としてのAUには安定した組織作りが求められる、と課題も指摘しました。
その後のパネルディスカッションでは、アフリカが新たな投資先として注目を浴び、中国などが積極的に関与を深めるなかでの日本の存在価値や民間企業の参入、持続可能な貢献のあり方などついて質問がありました。官民が連携し、日本ならではのきめ細やかで高い技術を生かした支援や、弱い立場の人々の声を代弁する市民社会の参画が、アフリカが本来の力を発揮する後押しとなることなどが議論されました。
日本のNGOネットワーク組織「市民ネットワークfor TICAD」を代表して登壇するHFW西岡