現地の写真を交えながら説明するJVC職員の津山氏
5月26日、東京・明治学院大学で、連続公開セミナー「飢餓を考えるヒント」の第1回「食料価格高騰から1年 アフリカでは今」を開催しました。このセミナーは、昨年度実施したセミナーで扱った食料価格高騰問題のその後を取り上げる企画として、アフリカ日本協議会、日本国際ボランティアセンター(JVC)、明治学院大学国際平和研究所とHFWが共催で実施。学生から社会人まで、約40名が参加しました。
食料価格高騰から1年経った今、国際的な食料価格は落ち着きを見せているものの、アフリカ諸国の食料価格は高いままです。前半は、HFWのベナン・ブルキナファソ担当職員冨田が、ブルキナファソでも食料価格高騰がいまだに多くの人の生活に影響を与えていることを報告。政府が緊急支援策をとったものの効果がなく、多くの家庭では食事の回数を1日2回から1回に減らすことで対応していること、それでも食費がかさみ生活費を切り詰めなければならず、石鹸や薬を買えないために衛生環境や健康状態が悪化している状況を説明。保健医療を含めた通常の社会保障の整備が求められていることを指摘し、その具体例として、HFWが国営保健センターと共同で支援する乳幼児と妊産婦の栄養改善(CREN)を紹介しました。
後半は、現地から帰国したばかりのJVC南アフリカ担当の津山氏が報告。都市部の人や換金作物から現金収入を得ている人と、農村部で食べ物を自給している人とでは、受ける影響が異なることを説明。価格に影響されにくい自給農業の重要性を訴え、JVCが行う有機農業事業を紹介しました。
こうした現状に、多くの参加者が驚いていた様子。現場の担当スタッフからの詳細な報告によって、アフリカで今なお続く食料価格高騰問題について理解を深めるセミナーとなったようです。
講演後の質疑応答では多くの質問が出された。回答するHFW職員の冨田