質疑応答を交えながら講演。国際科と普通科の8クラスが参加した
12月16日、HFWのバングラデシュ支部担当太田が、千葉県立松戸国際高校で2年生を対象にした国際理解講演会で講師を務めました。約320人の生徒を前に、中学、高校、大学生時代にHFWの青少年組織ユース・エンディング・ハンガー(YEH)で活動していた自らの体験も交え、飢餓の現状とHFWの取り組み、そして日本にいる私たちに何ができるのかについて語りました。
松戸国際高校は、文部省指定の千葉県英語教育拠点校として、国際理解教育と英語教育に力を入れています。今回は、各クラスの国際交流委員が中心になって、NGOの現場を担当する職員の生の声を聞こうと実現しました。
太田は、生徒たちが理解しやすいよう写真や表を多用。また、一方的に説明するのではなくいくつもの質問を用意して、生徒たちが自分の頭で考えて気づきが得られるようにしました。「飢餓の原因は何だと思うか」という問いには、生徒それぞれが1分間考えて近くの人と意見を交換し、みんなの前で発表。中には「先進国が食料を独り占めしているからでは?」と、自分の暮らしとのつながりのなかで飢餓を捉えた意見も出ました。また、慢性的な飢餓がある地域では、教育すら受けられないことがよくあります。バングラデシュの現地語であるベンガル語の道路案内を見せ、「子どもが病気、さあどっちへ行く?」と尋ねて説明すると、生徒たちは読み書きができないということが、生存に関わるほど深刻なことだと実感できたようでした。
地図ではどこにあるのかわからないバングラデシュでしたが、話が進むにつれて「どんなものを食べているの?」と興味津々。ふだん接することのない国がぐっと近く感じられたようです。
質疑応答では「NGOの仕事をするためには、どのようなことが必要?」、「高校生でもできるボランティアは、どうやって探せばいい?」などと積極的に行動したいという気持ちが現れた質問も出ました。
松戸国際高校は、「書損じハガキ回収キャンペーン」への参加も決まっており、2014年1月から年賀状などの書損じハガキを集めてくれます。この講演会は、日本にいて何ができるのか自分に問い、また自分の行動がどのような支援につながるのかを理解する機会となったようです。
教育の大切さの例に挙げられた、ベンガル語の道標。読めないとどちらが病院か判断できない
学生の頃から活動していた体験をもとに、「自分が興味や関心を持てる問題から取り組んで」と訴える太田
参加した方のコメント
13億トンもの食料が捨てられていることが衝撃でした。私たちのような食べ物に恵まれた環境にいる人間が努力しないといけないと思いました。書損じハガキ、頑張ります。
飢餓にも種類があることは知らなかった。1つの国の中にも飢餓がある地域とないところがある。助け合って一緒に発展していかないといけない。
道路が舗装されて水田が広がっている写真を見て飢餓がないと思ったのに、実は飢餓があることがわかった。「学んで知る」ということが大切だと改めて思った。