SDGsを軸に「食べること」や「捨てること」について考え、行動を起こすことを呼びかけました : 飢餓のない世界を創る国際協力NGO ハンガー・フリー・ワールド HUNGER FREE WORLD     

活動レポート 日本

2018.12.26 日本

SDGsを軸に「食べること」や「捨てること」について考え、行動を起こすことを呼びかけました

横浜・はまぎんホールがほぼ埋まる362名の参加があった

「世界食料デー」月間2018シンポジウム

11月10日に、HFWが事務局を務める「世界食料デー」月間と横浜市との共催で、シンポジウム『考えよう!「食べること」「捨てること」~私たちの食とSDGs~』を開催しました。基調講演を、持続可能な開発目標(SDGs)の普及に尽力されている、キャスターで日本担当FAO(国連食糧農業機関)親善大使国谷裕子さんにお願いし、事例紹介では「食」の課題に対するNGOや企業等の取り組みを紹介しました。 

基調講演で国谷さんは、飢餓や貧困の解決をめざし、また地球環境に対する強い危機感をもって国連でSDGsが採択されたと解説。しかし、人口増大に対応するためにこれまでの方法で食料増産をすれば、さらに地球環境に負荷がかかるという困難な課題をSDGsは内包しているとも指摘しました。フードロスを生み出す大量消費・生産のライフスタイルが、世界の飢餓に与える影響を考えること、そして企業や市民が協力して行動を起こし、SDGsを実現していくことが必要だと訴えました。 

事例紹介では、HFW海外事業マネジャーの米良彰子が、活動地での飢餓の状況とHFWの活動について写真を交えて紹介。イオン株式会社グループ環境・社会貢献部部長金丸治子さんからは、小売りの立場から、プライベートブランドの消費期限表記を年月日から年月にするなどのフードロス減量への取り組みと、食品資源循環モデルについて紹介がありました。また、株式会社リクルートライフスタイル有木真理さんからは、飲食店での食べ残し食品の持ち帰りの推進活動が紹介されました。 

クロストークでは朝日新聞記者の北郷美由紀さんがモデレーターを務め、前述の3人に加え、横浜市役所でゴミの削減に取り組んでいる資源循環局局長の福山一男さんが登壇。会場からの質問に答えながら、それぞれの課題や展望など、さらに話を深めていきました。終わりに北郷さんが「食習慣、普段の習慣を変えていくことが、世界につながっている」と行動を起こすことを呼びかけました。 

最後に、「世界食料デー」月間事務局からHFWの儘田由香が登壇し、「世界食料デー」月間の取り組みを伝え、それぞれが自分の持つつながりを生かして行動してほしい、と呼びかけました。 

参加者のみなさんは、終始メモをとるなど熱心に聞いており、アンケートには、「思っていた以上に地球が大変なことになっていることを身に染みて感じた」「もっと広める工夫をして皆で取り組まなければ」という声が寄せられました。自分たちにできることを考えてもらうきっかけとなりました。 

「SDGsは『我々は地球を救える最後の世代かもしれない』という危機感のなかで採択された、この現実から目を背けてはならない」と語る国谷裕子さん

それぞれの活動や思いを語る登壇者のみなさんと、「SDGsという目標があることで背中を押してもらえる」と語るモデレーターの北郷美由紀さん(左端)

ロビーでは、職業体験でHFWに来ていた中学生たちが、展示と飢餓やHFWの活動について説明を担当した

参加者の声

SDGsを2030年までに達成するには、まだ周知が足りないと思います。いろいろ調べて自分の意見をSNSなどで発信し、多くの人に広めていきたいと思いました。

具体的な数字で解説されたので、実感できたが、こんなに深刻な状況だとは思いませんでした。国谷さんの「私たちは、地球温暖化を食い止められる最後の世代になるかもしれない」という言葉がとてもショックでした。ゴミを出さないようにするとか、野菜はできるだけ皮ごと調理するなど、できることはやっていきます。

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