バングラデシュの有機農業事業について説明するアンジュマン(左)
8月6日、東京・地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)にて、10月の「世界食料デー」月間に先立つプレイベント第2回「これからの農業と食生活を考えるヒント -バングラデシュと日本にマーケットから-」を開催しました。
トークイベントではまず、来日したハンガー・フリー・ワールド(HFW)のバングラデシュ支部職員アンジュマン・アクターが、バングラデシュでの有機農業事業を紹介しました。化学肥料や農薬の購入費が農家の負担となる「近代農業」にかわり、ワラや牛糞といった身近なものを肥料に活用するなど、家計にも環境にもやさしい「有機農業」を推進しているHFWの活動。一方で、有機農産物の価値が消費者に広く知られていないなど、課題があることも伝えました。
続いて、Farmer's Market Associationの田中佑資さんが、表参道で毎週末、農家が直売を行う「ファーマーズマーケット」の活動を説明しました。生産者と都市部の消費者をつなぎ、消費者が「食」について考える機会を増やそうという取り組みにアンジュマンも共感。バングラデシュでも同様の取り組みができればと、直売を行う農家の集め方、マーケットの運営方法など、田中さんとお互いに意見を交換しました。
バングラデシュと日本。よりよい食生活を送るためにお互いに学び合えることは何なのか。24名の参加者も、それぞれ農業や「食」に対する意識について考えるきっかけとなったようです。 (2011.09.29)
生産者と都市部の消費者をつなぐファーマーズマーケットについて紹介をする田中さん(奥・右)に質問する参加者
参加した方のコメント
生産者と消費者が切り離されている現状について改めて考えさせられました。どうしたら両者のつながりをつくりだすことができるのか、自分なりにもっと考えてみたいと思いました(20代・女性)
バングラデシュの農家の方々が、農薬の説明書きの文字が読めないために、適量を把握できずに使いすぎている事実を知って、教育の必要性も感じました(20代・男性)
消費という言葉を深く考えさせられるイベントでした。人は食事を採らないと生活できないが、第三次産業が発展した日本ではその食を考えさせられる出来事が少なく、その機会を知らない人もいるので、意識を高める必要性を感じました(20代・男性)