ケルバリ村のWEHの話し合い。話し合いをまとめるリーダーが欠席したため、推進役が代わりを務める。この日は利益の使い道について議論
能力強化
自立した地域づくりが行えるようになるために、HFWは事業をサポートする住民(事業の推進役)の育成を、ボダ郡とカリガンジ郡の両活動地で行っています。
ボダ郡では、すでに9名の事業の推進役が活躍しています。バニアパラ村の推進役は、主にHFWが支援する女性の自助組織、ウィメン・エンディング・ハンガー(WEH)の活動を中心にサポート。メンバー42名の同村のWEHグループは、2013年1月に現地の気候に合い、換金性も高いピーナッツとコチュ(サトイモの一種)の栽培を開始。以前は、何度もの化学肥料散布に手間も費用もかかりましたが、今ではコチュの葉も利用した有機堆肥を1回施すだけで、同じくらいの収益が上がるようになりました。2013年10月にはコチュを収穫。グループへの現金収入に加え、HFWが実施する栄養改善プログラムの食材になるなど有効に活用されています。
これらの活動にあたり、推進役はミーティングの手配や資金管理などを行い、サポートしてきました。その結果、WEHのメンバーがまとまって積極的に事業に参加するようになって、活動が順調に進みました。
他の村を担当するいずれの事業推進役も、明るくて自立への情熱があります。説明もとてもうまく運営能力も高いので、住民たちは推進役たちを誇りに思っています。
彼女たちは2012年9月にHFWが選んだ、25歳から35歳までの女性9名です。全員女性のため、男性住民から理解を得られるか不安視され、男性の追加も検討していましたが、しばらくは必要ないという結論に至りました。なぜなら、活動を始めると女性たちは予想以上に住民とうまく関係を構築し、影響力を持つようになったためです。
もちろんHFWも、彼女たちが能力を発揮できる環境を整えてきました。情熱に加え、実践的なスキルを身に着けるよう、選考後すぐにリーダーシップ研修を実施。彼女たちは、仕事内容と役割、責任について、また参加型農村調査の手法について学びました。彼女たちが住民の支援活動を始めてからも、助言やトレーニングを続けてます。
このようにHFWが支援を終了した後でも、地域に暮らす彼女たちが、住民を力づけながら地域をさらに発展させられるよう、能力強化に力を注いでいきます。
Message from Bangladesh
私は以前「支援が必要な弱い立場にある人」ということで、HFWの「笑顔の女性賞」に選ばれ、その賞金で牛1頭を購入しました。牛乳を毎日飲んでいたら体力もつき、病気から回復しました。元気になったので、地域のために力を尽くしたいと思い、事業の推進役になりました。一緒に暮らす義母も私が村の発展の中心にいることをとても喜んでくれています。
セレナ・アクターさん ボダ郡ケルバリ村
私は人のために役に立ちたいと思っていたので、事業の推進役になりたかったのです。私が担当する協同組合はまだまだ力がとても弱く、サポートの必要があります。現在、行っている有機栽培の畑は、換金額のよいピーナッツとコチュを育て、利益を上げることができるようになりました。
カルパナ・ラニさん ボダ郡バニアパラ村