それぞれ自分の自転車で参加。ルートは事前に警察の許可をとり、安全も確保して実施
11月25日にカリガンジ郡で、29日にボダ郡でそれぞれ "食料を無駄にせず「食料への権利」を実現しよう”自転車ラリーを開催しました。大勢で自転車ラリーを実施することで注目を集め、地域の人々に飢餓の解決に向けた行動を呼びかけるためです。バングラデシュでは4人に1人が貧困ライン以下で生活しており、飢餓に苦しむ人々がいる一方での5.5%が無駄になっています。都市部での宴会での食べ残し、また加工や運搬などの技術の不足で無駄になってしまうことがある状況を多くの人は知りません。そこで、このラリーを通じて、下記のことを訴えることにしました。
- 食べ物や栄養についての意識を高める
- 各人や家庭で、食料を無駄にしないようにする
- 食料の流通の過程を近代化する
- 政府が、食べ物の無駄を防ぐための明確な政策を持つ
- 食品管理を近代化しようとする起業家が融資を受けられるようにする
人々の行動を改め、生産や流通、加工、調理や食事などの過程で出る食料ロス・廃棄を極力減らして適切に分配されれば、すべての人が十分に栄養のある食べ物をとることができます。
当日、カリガンジ郡では約450名が、ボダ郡では約600名が参加しました。YEHのほか、HFWが声をかけた学校の生徒や先生、地元の若者、住民、地方自治体の代表、他NGOの代表、ジャーナリスト、ユースクラブ、村の組合の代表や農家の人々などが参加しました。ゲストには地方議会の議長、警察署の署長と担当者、地方行政担当者らを招きました。
自転車ラリーは、できるだけ多くの住民の目に触れるよう大学や市場、地域でよく知られている場所などを経由するルートで、約8㎞を約1時間半にわたって走りました。ラリーに気づいた人々にHFWが訴えている内容がわかるよう“食料を無駄にせず飢餓のないバングラデシュをつくろう” と記したステッカーとリーフレット、バナーとおそろいのTシャツを用意。ポイントとなる地点では止まって、どれだけの食料が無駄になっていて、それを防ぐために何をすべきか伝えました。HFW職員も車で伴走し、「食料への権利」についてスピーカーで解説をし続けました。
この自転車ラリーは24の新聞やオンラインニュース、アメリカのテレビを含む2つのテレビで報じられ、地域の人々だけでなく、国内外にメッセージを伝えることができました。メディアとのつながりを強化することができただけでなく、実施の過程で、地方行政担当者とも連携でき、今後のアドボカシー活動に生かすことができます。
Tシャツの背中にはベンガル語で“食料を無駄にせず飢餓のないバングラデシュを実現しよう”のメッセージが
参加した動機や感想などテレビ局の取材を受ける参加メンバー
参加者の声
「食料を無駄にしない」という声を上げることは、とてもユニークで必要なことです。私たちはラリーを見て、450名もの人たちが一緒に声を上げている様子に感動しました。私たちがニュースとして報じることで、他の地域にも広めることができると思います。この試みは人々の行動を変えるために、これからも続けられるべきだと思います。
サフジャル・ ホサインさん(カリガンジ記者クラブの書記長)
すべての人が食料を手に入れられるようにするためには、私たちは食料を無駄にすることをやめるべきです。今日、自転車ラリーによって、私はこのことが重要であると気づきました。私たちはしょっちゅう家族や友人と食料を無駄にしないよう話していますが、600名はすごい数です。私たちは、今後このメッセージを広めていきたいです。
ラザル・イスラムさん(ボダのボーイスカウトリーダー)
非常に素晴らしいイベントだった。私たちが自分たちの食料の価値に関心を持たず、食料を無駄にし続けていることにもっと責任を持たなければならない。多くの人々はこの問題を気にしていないが、このイベントを通して多くの人々がこの問題について知ることができたと思う。このようなイベントがバングラデシュ国中で開催されることを願っている。
ドローン撮影チーム