SNSに投稿された写真の例。「食料は大切、無駄にしないで」と書かれている
2020年1月にHFWバングラデシュ支部の青少年組織ユース・エンディング・ハンガー(YEH)がSNS、Facebook上でスタートした「食料を無駄にしないで」キャンペーン。11月末までに12万人が投稿を閲覧、1万9000人がメッセージをいいねやシェアするという形で行動を起こしてくれています。
このキャンペーンは、昨年行った「食料を無駄にせず『食料への権利』を実現しよう」自転車ラリーに引き続き企画されました。バングラデシュでは、飢餓に直面する人が多い一方で、裕福な人たちが宴会で食べ残したり、技術不足のために加工や運搬の際にも食料の無駄が出ています。人々が行動を改め、食べ物が生産され、加工され、流通し、消費される過程で出るフードロスを極力減らし、適切に分配すれば、すべての人が十分に栄養のある食べ物を得ることができます。
そのため、今回のSNSを利用した啓発キャンペーンでは、「フードロスを削減することで、飢餓をなくそう」と訴えました。
この活動は、HFWの啓発活動担当が、YEHメンバーに「食料への権利」について研修をすることから始まっています。事前に学んだ「食料への権利」の知識や理解を生かして、キャンペーンの企画、バナーの作成、そしてSNSで「ダメ食料廃棄! 胸を張って食料を大切にしよう!」や「食料は私の権利、無駄にしないで」などのメッセージを発信しています。また、メッセージに共感してくれた人がいいねやシェアをしてくれるという形でメッセージは拡散されています。
2020年12月現在、累計45万人以上が新型コロナウイルスに感染するなど、感染拡大と同時にロックダウンによる失業など貧困と、そして飢餓の問題が深刻化しているバングラデシュ。1年間で累計100万人にメッセージを閲覧してもらい、10万人にメッセージを拡散してもらうという目標はコロナ禍で活動が制限されたため達成できていませんが、引き続きキャンペーン内容などを改善しながら、フードロス削減によって飢餓をなくすキャンペーンに多くの人を巻き込んでいきます。HFWと青少年組織のYEHは、その中でもこのようにインターネットを活用した啓発活動を続けています。
「ダメ食料廃棄! 胸を張って食料を大切にしよう!」と英語とベンガル語で書かれたバナーを活動地に設置
SNSに投稿された写真の例。「食料は私の権利」と書かれている
日本の若者のコメント
気持ちだけでなく、行動に移してもらえるようにするにはどうすればいいのだろうと思いました。
一人でアクションを始めるのは壁が高くても、周りを巻き込んでアクションをしていければ、やがて大きな成果につながることを感じた。
伝えたいことを短いキーワードで発信しているところが、世界にも伝わりやすかったんだろうなと思った。コロナ禍でも、インターネットを利用した呼びかけは本当にいいアクションだと思う。
バングラデシュに貧富の差があることを知っている人は少ないと思う。