自立へ進む、女性たちの歩み : 飢餓のない世界を創る国際協力NGO ハンガー・フリー・ワールド HUNGER FREE WORLD     

活動レポート バングラデシュ

2025.09.24 バングラデシュ

自立へ進む、女性たちの歩み

   

カリガンジの女性グループのひとつのメンバーと一緒に

 今回の出張は、担当地域が変わってから初めてのバングラデシュでした。女性グループ連合会の組織的な持続可能性、特に財政状況を確認し、HFWの支援から手を離れ自立が迫る中で、連合会自身が今後どのようにしていきたいと考えているのかを理解し、共に戦略を探ることが主な目的でした。 

 他国と違い、バングラデシュでは女性だけのグループを支援しています。男女が混ざって活動する文化がないことや、歴史的に女性が頼母子講のように資金を積立してきた仕組みがすでにあり、組織化が容易なためです。現在は男性中心の有力者とも対等に交渉できるほどに成長し、地域に欠かせない存在になりつつあります。 

 活動は首都ダッカ南西のカリガンジと、北部のボダにある女性グループ連合会を対象としています。 

 カリガンジのBNSKSでは、遠方からの参加が負担でした。ある女性は会議出席だけで往復2時間かけて交通費160タカ(約194円、2025年現在)が必要で、連合会が目標とする毎月の積立額100タカを超えてしまいます。そのため今後も市街地近郊のメンバー中心で会議や会計を担う体制が現実的です。ただ、会計担当の成長が順調だった点は安心でした。 

 一方、ボダのWEHはアクセスが良く、会議の間にもローン返済や貯蓄に来る人がいるほどでした。ただ、会計業務をすべてHFWのスタッフに依存しているのが課題です。貯蓄・小規模貸付事業で連合会としての支出をまかなえるか精査も必要で、専門家とともに対策を検討中です。また、自立へ向けて組織再編も進めていきます。 

 いずれの連合会も実態と書類が一致している点は強みです。今後は、組織のビジョンの明確化、必要最低限の業務の特定、それに基づいた無理のない役割分担を実現することで、ボランティアで成り立っている連合会の活動が持続的になっていくことが重要です。 

 今回の体験で現場理解が深まり、モニタリングに活かせるだけでなく、理論面でも研鑽を積み、自立まで伴走していきたいと気持ちを新たにしました。 

 

かつて夫の病気と貧困、子を2人亡くすなど、困難な状況だったカリガンジ村のレベッカさん。2003年からHFWの支援を受け、村の女性たちとグループを結成。ミミズ堆肥事業をはじめ成功し、村のほかの80世帯女性へ技術を広める。その功績が認められ、社会的に顕著な貢献をした女性を表彰する「ジョイエータ賞」を受賞。 写真は表彰状を手に、堆肥場の前に立つレベッカさん。

ボダの女性グループ連合会(WEH)のメンバーと一緒に

ボダ村のコビタさんとその夫バルマンさん。家を親戚から買うために貯金を使い果たしてしまった後に、WEHからのローンでヤギを買い、また収入を得ることができた。

私が報告しました!

槌谷保子  HFWプログラムオフィサー 

大学生の時にHFWのベナン・ブルキナファソ担当インターンで国際協力デビュー。その後、外務省や国連等で国際協力・アフリカと関わり続け、15年ぶりにHFWに舞い戻ってきました!

マイブームは無添加おやつ探し&(たまに)おやつ作り。

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