縫製訓練で、女性が家族に一目置かれる存在になっています : 飢餓のない世界を創る国際協力NGO ハンガー・フリー・ワールド HUNGER FREE WORLD     

活動レポート バングラデシュ

2010.04.01 バングラデシュ

縫製訓練で、女性が家族に一目置かれる存在になっています

   

刺しゅうの練習にも一針ずつ気持ちがこもります

女性対象の収入創出および権利啓発

若くして結婚させられ、教育を十分に受けられず、縫製技術なども身につけられなかった女性たち。家計に貢献できないため、彼女たちの家庭内での地位は低いばかりか、夫が亡くなったり、バングラデシュでは珍しくないことですが、夫から一方的に離婚されたとき、たちまち食べるものにも困ってしまいます。

家計に貢献できる、収入を得られる技術を身につけたい。こうした女性たちのニーズに応えるため、HFWでは2003年から縫製訓練を実施してきました。2008年度までに訓練を受講した女性は600名を超えます。

ニーズに合わせて訓練の形態もさまざま。女性服、子ども服の作り方を学ぶ2ヵ月間の基礎コースは、お店で服を買わなくてもよくなり節約に直結すると、特に人気のコースです。販売収入を得られる技術を学びたい女性のためには、3ヵ月間のコースを実施。女性服、子ども服に加え、男性用の服の作り方も学べます。そのほか、バングラデシュの伝統的な刺しゅう“ノクシカタ”を学ぶ1ヵ月のコースや15日間の型染め※コース、5日間のビーズ刺しゅうのコースなども提供しています。訓練を受講した女性の約3割が、学んだ技術を生かして実際に商売を始めています。

通常、これらの訓練は村の中心地にある有機農業センターやHFW地方事務所の一室などのHFWの施設内で行われますが、遠く離れた村の女性たちからのリクエストを受け、各村で青空教室として実施することもあります。また、女性たちの希望に合わせて、訓練内容を柔軟に変更することもしばしば。各村々を巡回しているHFWの地方事務所の職員が、日々の活動の中で女性たちと話し合い、こうしたニーズを汲み上げています。

訓練は、期間中の週4~6日、1日数時間ずつ行われます。そのため、当初は快く送り出してくれた家族が、女性が毎日外出することに次第に難色を示すようになり、途中で来られなくなってしまうことも。今後、家族の理解を得られるようにするための工夫や、受講のルールづくりに取り組んでいく予定です。

※型染め:染料を木判に塗り、布に押して染める手法。

絞り染めも、徐々に慣れた手つきに

Message from Bangladesh

夫は日雇い労働者で我が家はとても貧しく、どうにかして私も収入を得て家計を楽にしたいと願っていました。そんな時、HFWの縫製訓練のことを耳にし、すぐに申し込みました。今ではほとんどのコースに参加し、いろいろな縫い方を習得しました。2ヵ月前にミシンを購入し、近隣から依頼を受けて縫い物を始め、2ヵ月で500タカ(約750円)の収入を得ることができました。夫を助けられるし、私も家計に貢献できることをとても嬉しく思っています。家族も一目置いてくれています。得たお金で子どもに教育を受けさせたいと考えています。

フルモティ・ベグムさん(カリガンジ郡ボリダパラ村)

事業概要:女性対象の収入創出および権利啓発

期間:2001年4月~ 対象地域:カリガンジ郡 , ボダ郡

バングラデシュの農村部では、女性の多くは家族や親せきが決めた相手と13~15才で結婚します。中には10才前後で結婚させられる少女も。このような女性たちは家庭や社会での決定権をほとんど持ちません。そこでハンガー・フリー・ワールド(HFW)は、女性が社会に参画できるよう、自立支援事業を行っています。


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