完成した母子保健センター。ベト村初の医療施設
母子保健センター建設
2010年8月24日、ベト村住民が待ち望んだ日がやってきました。日本政府を代表して番馬正弘特命全権大使が出席し、ベト村住民、ベナン政府から外務省、保健省の関係者、市民社会代表としてベナンのNGO/NPO 関係者が集まり、産院の完成式典が行われました。式典では、地域で栄養改善を進めるためにHFWが育成してきた住民のファシリテーター※が、母子保健の大切さを寸劇にして披露しました。
その後、保健省代表が「ベナンでは年に3500人もの女性が、命を与える出産のために、自分の命を落としてしまっています。母親の健康を守ることはベナン政府にとっても最優先課題です」と、完成したセンターの重要性を力説。特命全権大使は「設備を整えるだけでは貧困問題は解決しません。人々の意識の変化が伴わなくてはならないと思います」と集まった住民に、地域で協力してセンターを運営していくよう呼びかけました。
※ファシリテーター 一般的には会議の参加者の意見を引き出す進行役。HFWの活動地では、中立な立場から関係者の力を引き出し、地域づくりがうまく進むよう促す人を指す。
近隣14ヵ村から約1万2000名以上の利用が見込まれる同センター。保健省から産婦人科医が派遣されるのを待つ間、住民たちが医師の給与などの経費を捻出し合い、産院を運営します。今回完成した建物は計画の一部。2010年度には診療所、薬局などの建設が予定されています。
以前は医療施設に向かう途中、道端でお産することもあったと寸劇で伝える女性
雨季には、毎日住民が敷地内の雑草の駆除を行うなど、協力して建設
Message from Benin
ベト村を代表して、母子保健センターの建設に尽力してくださった、HFWのスタッフ、そして日本のみなさんに心から御礼をお伝えしたいです。私たちは、出産のために遠くの保健センターまで行かなくてはならず、道端で出産せざるを得ないこともありました。出産のために命を落とした女性を知らない家族は、この村にはいません。
その苦悩も、HFWが建設してくれた母子保健センターのおかげで、過去のこととなります。私たちの妹たち、そして子どもたちがもう苦しまなくてもいいのです。日本の方々への感謝の気持ちをこめて、このセンターが、私たちの子どもたちの代まで大切に使われていくように、住民が協力し、運営していくことをお約束します。
ジュスティン・アカンビさん