料理コンテストの様子。緊張感漂う調理中の審査
ついに! 料理コンテストを住民が支援なしで開催
ベナンではゼ郡12ヵ村で、栄養価の高い地場産品の普及による栄養改善に取り組んでいます。その一環で、女性たちが新メニューを調理し、審査委員が栄養バランス、地元産食材の活用、衛生などの観点から評価する料理コンテストを開催してきました。3回目まではHFWが主催していましたが、2022年の4回目はHFWはアドバイスとメディア誘致などのサポートのみで、住民たちが企画と運営を担い、開催費用も用意できたことまでは、ご報告させていただきました。
2023年10月に開催された5回目は、HFWのサポートを受けずに完全に住民だけで主催できたとベナン支部職員クレマンから報告がありました。前進していますね。274名が参加し、ガンダホ村がなんと二連覇したということです。海外事業担当の私、槌谷から料理コンテストの基礎ともいえる調理実習についてお伝えします。
食べ方を変えることで子どもたちの栄養を改善
出荷用にパイナップルなどを生産し、自分たちの食材は市場で買う住民が多いゼ郡で、 HFWは長らく、大豆、ピーナッツ、胡麻など栄養価の高い地元の農作物を普及してきました。その一つが家庭で取り入れるようにする調理実習の開催です。各村で月1回程度行われています。クレマンたちから、先輩お母さんたちが若いお母さんを誘って、熱心に参加しているということは報告を受けていました。とはいえ、教室で習ったレシピを家では作っていない人もいるのではと、私は疑っていました。そこで、昨年のベナン出張時、調理実習の参加者に昨夜は何を食べましたか? と、ちょっと意地悪な質問をしてみたんです。そうしたら、その場にいた約50名のうち20名くらいから、学んだレシピが次々と出てきました。「私もそれ」と手を挙げた人を合わせると、ほぼ全員が何かしら前日の夕食に取り入れていました。正直びっくりしました。学んだことがこんなにも浸透しているなんてすごいことです。
高価な肉や乳製品が買えなくても、市場の食品が高くなっても、近所でとれた栄養ある食材を使うだけ。でも、栄養不良でやせていた子どもたちが、回復していくのを目の当たりにして、みなさん意義を実感したんでしょうね。大がかりな事業じゃなく限られた支援額でも、人々の行動変容によって大きな成果を出せていると思います。
調理実習は段階的にHFWの支援の手を離れ、今は住民グループが開催しています。次回は、HFWの支援を卒業しても実践を継続できるよう、住民がセルフチェックする仕組みづくりについてお伝えします。
ソイ(大豆)チーズの串焼き。お肉じゃなくても食べごたえがありそう!
さつまいもピューレにカルシウムをはじめ栄養満点な魚粉を混ぜたものを食べさせもらった。ちょっと辛い……
出張時、活動地で極度に痩せている子どもを見かけませんでした
※ベナンでも食料価格の高騰が深刻です。2022年には前年の3倍の約83万人が急性食料不安に陥りました。(国連食糧農業機関(FAO)Global Information and Early Warning System)
私が報告しました !
槌谷保子 HFWプログラムオフィサー
大学生の時にHFWのベナン・ブルキナファソ担当インターンで国際協力デビュー。その後、外務省や国連等で国際協力・アフリカと関わり続け、15年ぶりにHFWに舞い戻ってきました!
マイブームは無添加おやつ探し&(たまに)おやつ作り。