
接種前にニコニコしていた赤ちゃんも、針が刺さると元気よく泣きだした
母子保健センター建設・運営
ベト村の母子保健センターで、かねてから住民から要望が出ていた妊産婦と乳児を対象にした破傷風ワクチンの接種が始まりました。妊産婦には2012年12月から週1回定期的な接種日を設け、2013年7月末までに63名が接種。乳児には不定期ながらも2013年8月から開始し、8月は1ヵ月間で22名が接種を受けました。ワクチンは、7~8km離れた病院から保冷された状態でバイクで運ばれ、その病院で研修を受けた母子保健センターの助産婦によって接種がされます。
今まで、母子保健センターではワクチン接種ができませんでした。そのため、ワクチン接種ができる遠方の病院で、出産も行う妊婦が増加。母子保健センターでの出産が減っていました。これでは、住民が利用しやすい場所に医療施設をつくるという目的が果たせないことに。
そこでHFWは、ベト村の管轄であるゼ郡庁に何度も足を運び、ワクチン提供を依頼しました。 郡の担当者は、母子保健センターの地域医療に果たす役割の重要性を十分に理解してくれ、承諾を得ることができました。
最初は、ワクチン接種ができたのは妊産婦のみでした。乳児向けのワクチンは一瓶で10人分のものがあり、開封すると保冷設備のない母子保健センターでは保存できません。保冷設備ができるまでは、無駄なく使うために、まとまった数の乳児が母子保健センターに来ることが不可欠でした。そこで、HFWは、乳児向けのワクチン接種が開始されたことを、活動の場で住民たちに積極的に告知。その結果、1度に10名以上が集まり、8月5日に初めて実施できました。今後は定期的に実施できるように、さらに告知に力を入れていく予定です。
研修を受けたスタッフが、細心の注意を払いながら注射針を扱う
大勢の母子が集まり、順番を待つ。お母さんたちはやや不安げな表情。
Message from Benin
これまでは、ワクチン接種のために片道2時間近くかかる別の病院まで、歩いて通わなければなりませんでした。体力もいりますし時間もかかります。その間家事ができないことも大きな負担となっていました。このあたりの女性たちはみんな、ずっと前から母子保健センターでのワクチン接種を待ち望んでいました。乳児向けの予防接種も、始まってとてもうれしいです。