実習だけで終わりじゃない!学びを身に付けるための住民たちの工夫とは? : 飢餓のない世界を創る国際協力NGO ハンガー・フリー・ワールド HUNGER FREE WORLD     

活動レポート べナン

2024.12.20 べナン

実習だけで終わりじゃない!学びを身に付けるための住民たちの工夫とは?

     

楽しそうな調理実習の様子

調理実習を通して栄養改善を行っているベナン。前回は調理実習での高い実践率についてご報告しました栄養価の高い地元の農作物を食べるとよいと理解はしても、種の入手、栽培、収穫、加工、調理など、実践にはやることがたくさんそんな中でも学びを実践し続けるために、ベナンではある工夫を取り入れていますその工夫とは何か?今回も海外事業担当の槌谷からご報告します 

秘訣は先輩お母さんたちのサポート

ベナンの調理実習はHFWの支援を卒業した先輩お母さんたちが実施しています。彼女たちは、調理実習の運営に加えて、週2回程度の家庭訪問を通して参加者のフォローアップを行っています。また、その際に家庭での実践が難しくなる原因や課題をひろい、実習内容の改善も行っています。

そして、そんな調理実習を運営している先輩お母さんたちをサポートしているのが「モニタリング委員会」です。たとえば、毎月の計画を一緒にたてたり、計画がうまく進んでいない時には、解決策を一緒に検討したりします。 先輩お母さんたちのフォローアップと、運営を支える「モニタリング委員会」の存在が高い実践率につながっています。

ここで自慢したいことが2つ!

1つ目は、「モニタリング委員会」のメンバーのほとんどが、私が10年前にインターン生として訪問した際に出会った人たちだったのです!10年前はHFWの指導を受けて活動していた彼女たちが、今では地域のリーダーとして自分たち主体の活動を実施していることがとてもうれしかったです。

2つ目は、調理実習以外の活動で学んだことも、自主的に「復習」をしていたことです!グループの定例会の場で、これまで受講してきた研修(計画立案、住民参加を増やす方法、栄養教育など)の復習や浮かんだ疑問に対する答えをみんなで考えているそうです。

研修だけで終わらず、その学びをしっかりと復習し実践につなげ続けているベナンでの活動は、とても効果の高い活動といえると思います 

モニタリング委員会による年間計画の話し合い

後列左が10年前にも参加していたメンバー

私が報告しました!

槌谷保子 HFWプログラムオフィサー

大学生の時にHFWのベナン・ブルキナファソ担当インターンで国際協力デビュー。その後、外務省や国連等で国際協力・アフリカと関わり続け、15年ぶりにHFWに舞い戻ってきました!

マイブームは無添加おやつ探し&(たまに)おやつ作り。 

事業概要:住民同士で支え合うベナンの活動体制とは?

期間:2004年~ 対象地域:ゼ郡べト村

ベナンでは2022年度より「栄養改善事業」が新しい体制へと移行し支援からの卒業を見据え、HFWは後方支援を行ってきました。来年度での今の活動地での支援卒業後が決まっている中、住民たち自身で、栄養改善の取り組みを持続できるように、3つのグループを作って主体的に活動しています。 

■栄養価の高い地元の農作物グループ 

栄養バランスのよい食生活グループ 

意識向上とアドボカシーグループ  

これらのグループの活動を支えているのが「モニタリング委員会」です。地域のリーダーや元支援対象者を中心とした住民15名によって組織されています。3つのグループの計画立案をサポートし進捗状況をモニタリング、活動がうまくいっていないときには、解決策をグループメンバーと一緒に検討しますモニタリング委員会自体も種子栽培・販売等の収入創出の活動をしており、モニタリング費用を自身で捻出しているのも特徴の一つです支援の卒業を控えて、自立に向けた道筋がしっかりと作られています 


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