子どもの発育状態を定期的に診断
乳幼児と妊産婦対象の栄養改善(CREN)
事業の開始から2年、乳幼児と妊産婦対象の栄養改善(CREN)は着実に成果を上げてきました。もともとは、子どもたちの栄養改善を目的にブルキナファソ政府がはじめた全国的なプログラムでしたが、この地域では、資金難のために5~6年前に打ち切られ、せっかく保健センター内に建てられた乳幼児専用の入院棟なども放置されたままになっていました。
「CRENが打ち切られてから、毎年のように子どもが亡くなるのを見てきました」。こうした、地域に住むお母さんや保健センターの医師からの声を受け、すでにある建物と資材、かつて働いていたスタッフを活用する形で、HFWがCRENを再開しました。
ブルキナファソでは、5歳未満の子どものうち3人に1人が栄養不良状態にあるといわれています。この保健センターが対象とする11ヵ村の5歳未満児は約4500人。うち約1500人が常に栄養不良状態にあることになります。子どものたちの栄養状態を改善し、病気にかかりにくい身体をつくること、そして、子どもたちの発育の鍵を握るお母さんたちに衛生管理や保健の正しい知識を身につけてもらうことが、この事業の主な目的です。
毎週水曜日は定期診断の日。体重を測り、年齢と比較して子どもの発育状態を診断します。診察前は、お母さんたちに向けてHIV/エイズの予防や予防接種についてなど、多岐にわたる保健指導を行います。診察後は、子どもたちに栄養粥が提供されます。ミレット(粟、キビの一種)など、農家でも簡単に手に入れられる材料が使われているので、お母さんたちに作り方を指導し、家庭でも子どもに与えるよう促します。
2007年2月には入院棟も整備され、栄養不良のため命を落とす危険がある子どもの緊急治療ができるようになりました。また、8月にバイクを導入し、対象地域である11ヵ村に出向いて、CRENの存在を広める活動も可能になりました。これまで定期診断に通ってきた子どもは153人(2007年8月現在)、2年間で栄養状態が改善された子どもは57人。今後の事業の拡大が期待されています。
出張検診
栄養粥の指導
べレムには双子の弟がいたのですが、病気で死んでしまいました。 べレムも同じように弱っていましたが、CRENのことを知り、2006年の9月以来、7km離れた村から自転車で通っています。昔は笑顔すら見せなかったべレムも、元気に遊びまわるようになりました。もう、子どもの命を失いたくない。そのために、毎週かかさず通っています。
アミ・ウエドラオゴさん(26歳)べレムくん(16ヵ月)