体重をはかって栄養不良の度合いを診断
乳幼児と妊産婦対象の栄養改善(CREN)
6年目を迎えた、保健センターでの乳幼児と妊産婦対象の栄養改善事業(CREN)。利用者は増え続けています。これまで栄養不良と診断され治療を受けた子どもの数は612名。そのうち456名(※)が栄養不良から回復しました(2010年12月現在)。そして、再び栄養不良に陥って戻ってきた子どもは0名と、治療と栄養指導の成果が着実に表れています。
とはいえ、まだまだ栄養不良と診断される子どもたちは大勢います。重度の栄養不良の子どもは回復するまでに平均で半年、なかには1年かかることもあります。また週に1度の健診と治療では、家での栄養バランスの悪い食生活、不衛生な生活環境などが影響して、良くなりかけていても元の状態に戻ってしまうことも。こうして治療が長引いたことが、離れた村から徒歩や自転車で通ってくるお母さんにとって、体力的あるいは農作業の大きな負担になり、途中で通わなくなってしまうケースも多くありました。
そんなお母さんの負担を軽減し、子どもたちの回復の遅れをくいとめようと、重度の栄養不良児の体重を、2ヵ月を目安に標準体重に戻す「短期集中治療」を2010年5月から行っています。以前は週1回だった定期健診を週3回に増やし、点滴治療や栄養粥の提供を行っています。この治療により、2010年5~6月の2ヵ月間で、13名中12名の子どもたちが重度の栄養不良状態から抜け出せました。
しかし、精密検査の必要がある子どもや、さらに深刻な栄養不良に陥っている子どもに関しては、センターの医療設備では十分に検査・治療を行えません。そこで、こうした子どもを首都の大病院に搬送するしくみも整えました。短期集中治療と大病院への搬送は今後も継続し、子どもたちの命と健康を守っていきます。
※掲載時点では、治療を受けた子どもの数が746名、回復した子どもの数が269名となっていましたが、正しくはそれぞれ612名と456名です。訂正とともに、謹んでお詫び申し上げます。(2012.01)
飲みこむ体力がない子どもに、鼻から胃にチューブを入れて栄養を補給
栄養粥を子どもに与えるお母さん
Message from Burkina Faso
私の6番目の子ナナは、生後すぐは元気だったのですが、しばらくして保健センターで栄養不良と診断されました。でも、家からセンターまで10kmと遠く、途中で治療に通えなくなってしまい、ナナは見る見るうちに衰弱していきました。その後も、通い始めては途中で断念することを何度か繰り返し、ついに、重度の栄養不良と診断されてしまいました。ナナがこれからどうなってしまうのか、とても怖かったです。ですが、幸いにも短期集中治療の対象に選ばれました。
私はナナのために、センターが遠くても、畑仕事や家事が忙しくても、毎回休まず通おうと決意しました。主人も理解を示してくれて、ナナが回復するまで週3回の集中治療を受けられました。その回復の早さに、私たち家族はもちろん、同じ村のお母さんたちもとても驚いていました。
そして、CRENのスタッフのみなさんが、近所で手に入る栄養価が高い食材を教えてくれ、覚えるまで根気よく栄養粥のつくり方を指導してくれたおかげで、私は家でも栄養管理をできるようになりました。 私の子どもたちは、もう二度と栄養不良には陥らないと確信しています。
ウェドラオゴ・アリスさん(30歳・女性)