
質問するYEHのメンバー。たくさんの手が挙がります
衛生啓発・環境改善(YEH)
YEHブルキナファソでは、2011年から小学生への衛生教育のため、小学校での清掃活動や啓発活動を行っています。ブルキナファソでは、不衛生な環境のために感染症が蔓延しており、通院や薬代のために、少ない食費をさらに削っている世帯が多くあります。健康に良い衛生環境をつくって病気を減らせば、医療費を抑えられ、食事にまわすことができます。
YEHメンバーたちが活動の対象に選んだのは首都ワガドゥグ市内の、特に衛生環境が悪いと思われる小学校4校、5~12歳の生徒約2500名です。 年に数回「清掃の日」を設け、まず、生徒たちと一緒に清掃活動を行います。清掃に必要な熊手、ほうき、荷車などの用具は、YEHが提供。校内のゴミを集め、敷地内の雑草とりやトイレの清掃などを行います。
その日はまた、子どもたちにわかりやすく衛生の知識を伝えるため、ワガドゥグにいる劇団を招いています。プロの劇団は、正しい手洗い方法やゴミの処理の仕方、病気にならない方法など寸劇を通じてわかりやすく伝えてくれます。この日は、食べ物を手を洗わずに食べてお腹が痛くなったことを演じ、手洗いの大切さを伝えました。子どもたちはたくさんの笑いを交えた劇団員の迫真の演技に、目を輝かせ、どんどん前のめりになって見入っていました。寸劇のあとは、YEHメンバーが質問をして、子どもたちが正しく理解できたかどうかを確認します。競うように手が挙がり、毎回熱気に包まれています。
この活動の結果、子どもたちは清掃の日以外にも、定期的に清掃する習慣がつきつつあります。「YEHメンバーたちは衛生的な習慣を身につけるきっかけを子どもたちに与えてくれています」と教師は言います。「これまでは清掃用具も足りていませんでした。YEHの活動がきっかけで、子どもたちも以前より自主的に積極的に教室や校内の掃除に取り組むようになりました」とのこと。今後は、教師や保護者にも協力してもらって、子どもたちが学んだ知識を家庭や学校でも実践できているかどうか、見守ってもらう予定です。さらに、対象となる学校を広げ、衛生に関するパンフレットや教室に貼るポスターの作成なども計画しています。 (ブルキナファソ担当職員 土橋るみ)
プロの劇団員による寸劇で衛生の大切さを伝えます
日本の学校では想像できないゴミの量。熱心に掃除をする子どもたち