
多くの住民が集まり、熱心に専門家の話に耳を傾ける
啓発活動
「食料への権利」についてのイベントをワムテンガ村で12月15日に実施しました。本来は、10月16日の世界食料デーに合わせて予定していましたが、9月に大統領を拘束する軍のクーデターが発生。デモが起きるなど政情が不安定になったため延期したものです。
このイベントには、住民約350名が参加。専門家による「食料への権利」の説明の後、グループに分かれて話し合いました。前回のイベントから確実に住民の意識が変わり、土地を手放したり、備蓄食料を売ってしまったりするという問題がなくなったといいます。さらに今回の開催までの間にも月1回、事業の担い手たちが啓発集会を開催してきました。そこで住民たちが「食料用作物と換金用作物のバランスを考えて生産する」「食料を計画的に備蓄・消費する」「地域に合った穀物を生産・消費する」「環境保護のために、薪などの資源を節約する調理法に変える」などを学び、実践してきた成果です。
今回のイベントではYEHメンバー2名も職員に同行。住民の「食料への権利」の理解度を測る意識調査を行いました。「食料への権利」とは何か? それを構成する4つの要素は? 啓発による行動の変化は? などを質問。2013年11月の実施時には、18%の住民しか正しく答えられませんでしたが、今回の調査では、63%に上昇。学んだ知識を積極的に他の人に広めたりするなど、住民の食への意識がより高まっていることがわかりました。
今後も、より多くの住民が問題に気づいて行動を起こせるよう、月1回の啓発集会のテーマを増やしたり手法を変えたりするなどしてメッセージを伝えていきます。
YEHメンバーが一人ひとりに丁寧に聞き取り調査を行った
Message from Burkina Faso
啓発集会に参加してから、現金が必要なときでも、収穫した穀物を売ることをやめ、自分の家で食べるための備蓄にまわすよう意識するようになりました。穀物を売る代わりに現金を得る活動をすればいいんだと考え、村で小さいレストランを始めました。
イレン・ウエドラオゴさん(ワムテンガ村)
首都からやってくる人たちが、高い買い取り価格を提示して土地を売ってほしいと言ってきます。私たちは同じ土地で60年以上家族で農業を行っていますし、一度土地を手放してしまっては自分たちが消費する食料を生産することが今後できなくなるとHFWの啓発集会で学んだので、その申し出を拒否し続けています。
マリー・コンパオレさん(ピシ村)
HFWの啓発集会で、私たちが先祖から受け継いだ土地を未来の世代に受け渡すことがとても重要だと理解しました。穀物を売ったり、食料や資源を無駄にしたりすることをやめました。これからも、啓発集会で学び続けていきたいです。
エレン・コンレルボさん(ゴムトアガ村)