ゼ郡職員(右)と話し合うHFW職員。出張中の日本本部職員(左から2人目)も同席
ベナンでは乳幼児の栄養改善のための国家プログラムが立ち上がりました。それを受けて、活動地ベト村とその周辺村を管轄するゼ郡は、HFWを事業実施のパートナーの一つとして認定。今後、行政とHFWが協力をして活動を進めることになりました。
栄養改善事業についてはこれから検討されますが、HFWの運営する識字教育についての連携は具体化しています。単に文字を教えるだけでなく、住民たちの「食料への権利」実現に寄与する知識も広める場にすることが合意されました。この決定をうけて作成する新たな教材には、複雑なベナンの土地法について、ゼ郡庁知事に解説を寄稿してもらうことも決まりました。(ベナンでは、土地法を知らないために、食料生産に欠かせない土地を安易に売り渡したり、投機目的で耕作放棄地となったり、女性に権利があることを知らずに相続し損ねたりする例が多くあります。「食料への権利」の実現には土地法の普及が重要な活動となっています。)
このように行政との連携が進んだのは、HFWが、住民主体の事業展開を行うことで、村長をはじめ地域住民に深い信頼を得ていることが、郡に評価されたためと言えます。
HFWの活動地では、村に課題があると、HFW職員ではなく、HFWが住民の中から選んだ事業の推進役が村長に伝え、ともに解決に向けて取り組むようになっています。また、HFWは、村長とゼ郡庁との橋渡し役を担い、村長たちの意見をゼ郡庁知事に伝えてきました。さらには、活動地ベト村とその周辺の12ヵ村の村長たちが郡庁の担当官、時には離れた地域の村長も加えて集まる場を作り、直接意見を伝え、さらに活発に情報共有や意見交換ができるようにしました。
地域の自立のためには、住民自身の事業運営能力の強化に加え、行政との連携が欠かせません。住民と行政の連携が、活動を積み重ねるなかで強まっています。
村長たちと郡の会合をHFWのアニメーターがまとめる