総勢500名が集った第2回模擬国会
青少年対象の啓発活動
昨年に続き、10月17日に模擬国会がHFWの主導で23の共催団体によって開催されました。バングラデシュ全64県から選ばれた25歳以下の若者300名が、国内の300の選挙区を代表する議員に扮し、議長、食料大臣、首相を選出し、「食料への権利」の法制化について議論しました。NGOなど市民社会から170名がオブザーバー参加し、ボランティア40名が運営をサポート、ゲストには著名な経済学者や前食料省大臣などが出席、大手新聞2社とテレビ3局が取材に入りました。前回をはるかにしのぐ規模となり、大勢の若者たちが自国の飢餓の状況を知り、議員たちに「食料への権利」の重要性を伝えることができました。
300名の若者のうち23名が発表。若者たちが調べたそれぞれの選挙区での問題を取り上げ、「食料への権利」を実現させる法整備を求めました。たとえば、ナルシングディ2区では産業汚染が農地に広がり、食料の安全性を脅かしているため、農地を守る条項が必要だと訴えました。ダッカ8区ではストリートチルドレンが多く、お腹をすかせて食料を奪うなどの犯罪に走ったり、空腹感を紛らわすために麻薬に手を出したりしているため、一刻も早く食料への権利を保障する法律を求めると発言。ただ法律を制定するだけでなく、適切に運用されることが必要だ、という指摘もあり、前回より深くさまざまな角度から問題を取り上げて討議することができました。
この日の発表に至るまでに、HFWは参加者たちと入念な準備と打ち合わせを重ねました。その過程で若者がそれぞれの地域の飢餓の状況について自分たちで調べ、「食料への権利」について考えを深めることができました。今回ゲストとして参加した議員たちは、実際の国会に問題提起することに関心を持ってくれており、模擬国会終了後、若者たちは前回同様、国会を訪問する予定です。また、今回の様子は前回同様に本にまとめて出版し、国会の議長と副議長に届けます。前回の冊子は国会の副議長を通じて、多くの議員に配布してもらうことができました。
今後も模擬国会を継続して実施し、「食料への権利」への理解を促進し、法制化に向けた動きを後押ししていきます。
国会議員らがゲストとして臨席
各地区を代表する議員になりきって問題を提起
Message from Bangladesh
第2回模擬国会の様子
Message from Bangladesh
若者が国の問題を話し合っている姿を見てすばらしいと思いました。彼らは国の問題を考え、適切な解決法を要求しています。重要なことは、生産者が自分が作ったものから利益を得、生産者以外の人は食料を買う力を得られるよう、人々を力づけることです。若者たちはこの問題について考えました。我々大人は、責任を最大限果たすよう挑戦しましたが、できていません。若者にも責任を担ってもらうことが必要です。
クァジ・コリクザマン・アーメド博士 (経済学者、PKSF財団会長)
若者に意見を述べる機会を作ってくれた主催者に感謝します。若者は国のことを考え、国のために力を注いでいます。私は若者を力づけるために力を尽くし、食料への権利法案が国会に上程されたなら、支持します。
アブダル・ワダッド (国会議員、食料常設委員会の委員長)
この模擬国会の主賓として参加でき光栄です。すべての人への食料安全保障は、政府の優先事項です。食料生産を推進するために、政府は農家と貧しい人々にさまざま支援を行ってきましたが、もっとできるはずです。私は次世代の若者が国を導いてくれると知っているから、将来について楽観的でいられます。
アブドゥール・ラザーク (国会議員、主賓)