男性も診察を受けられるように。カーテンの向こうでのぞいているのは、次の患者。大勢が待っています
母子保健センター
2008年に開業して以来、産婦人科医による診察、検査設備の充実、ビタミン剤の配布、予防接種などで、赤ちゃんとお母さんの命をしっかり守ってきた母子保健センター。常勤の看護師2名と検査技師1名に加え、一般医1名、小児科医2名、婦人科医1名がそれぞれ週1回の診察を行うなど、より充実した体制になりました。その結果、赤ちゃんとお母さんだけでなく、男性や年配の女性なども受診できるようになりました。
2012年12月には、母子保健センターから車で1時間半~2時間離れたディナジプールにある、非営利の眼科病院の診療に協力。HFWは、母子保健センターの診療スペースの提供と、住民へのお知らせや誘導などを行いました。誘導には、ユース・エンディング・ハンガー(YEH)も活躍。当日は、6名の眼科医が449名の住民を診察。白内障手術が必要と診断された49名は、後日、手術も無料でディナジプールの病院で受けることができました。交通費が出せない住民には送迎車も準備しました。
このように、他団体や地方自治体と協力して出張診察や無料診療日を設ける方法で、これまでに4000名以上の住民が診察を受けることができました。
ほかにも、病気の予防法、病院に行くべき症状、家族計画についてなどを教える活動も行っています。思春期の子どもへの予防接種も始めました。
また、2013年2月には、母子保健センター内で小規模に運営していた薬局を、センターの敷地の入り口近くに建設。今まで薬局の存在を知らなかった人や、診察を受けないで薬だけを求める人などにも、活用してもらえるようになりました。
このように活発な活動を行う母子保健センター。開業から5年を経て、今では地域の住民の健康を守るうえで、欠かせない存在となっています。
Message from Bangladesh
母子保健センターで働く3人の常勤スタッフ。右から看護師のマスダ・ベグムさん、検査技師のサッダム・ホサインさん、看護師のルナ・アクターさん
Message from Bangladesh
私は白内障で、右目は全く見ることができず左目だけで見ていました。そのうち、左目にも症状が出てきて、料理するのも難しくなり、掃除も隅々まできれいにすることができませんでした。不便でしたが、遠くの病院まで行って治療を受けるだけの費用はなかったのです。
でも、無料の眼科治療が母子保健センターで行われるということを聞き、意を決して受診しました。その後、他の人たちとバスで80km以上離れたディナジプールの病院へ連れて行ってもらい、白内障の手術と薬の処方を無料で受けることができました。今では両目ともはっきりと見えるようになり、本当にうれしく、ほっとしています。これまでは何もせずただ家でじっとしていましたが、これからはMCCへ相談に行こうと思います。
アロカ・ラニさん バニアパラ村
妊婦をはじめ、腫瘍性潰瘍や呼吸系疾患、関節リュウマチなどの患者さんを診ています。この地域の人たちは貧しく、教育も十分に受けることができなくて、問題は多いです。今は人手が足りなくて手術ができませんが、できるようになったら、もっと効果的な治療が施せます。でも、この母子保健センターで地域の人々のために貢献できることは、大変うれしく思っています。
アヌワル・アリさん 母子保健センターの一般医