
母親たちが畑でトマトを栽培。HFW職員から育て方のアドバイスを聞く
子どもの栄養改善
3年目第2期に入った栄養改善事業。これまでに88名の母子を対象に実施してきました。月1回、母親に対し、栄養価が高い食事のメニューや年齢に応じた与え方、母乳育児、衛生の知識について指導。子どもの身長・体重育測定も行っています。また、事業の推進役となる住民が、過去の事業の対象者も含めて家庭訪問を続け、栄養改善の実践を手助けしています。
HFWは、指導するメニューの食材に、地元でとれる値段も手ごろなトウモロコシの粉やアリコ豆、ピーナッツ、小魚、野菜などを選んできました。しかし、事業の推進役による家庭訪問で、多くの家庭でこれらの食材すらも買えず、指導されたことを実践できていないことが判明。十分な収入がなく思うように食材を買えないことや、家計を握る父親の栄養に関する知識が低く、食材の購入に理解が足りないことが原因です。
そこで2014年には父親向けのワークショップを行うことに。しかし、病気にかかったり、体重が減ってしまったりする子どもが出てきたことから、推進役の住民は、母親たちと相談。母親からは「自分たちで食材を栽培してはどうか」とアイデアが出ました。
推進役から提案を受けたHFWは、必要な畑の賃貸料の支援を決定。母親たちに計画の実現に向けたアドバイスを行いました。母親たちは、毎週200セファ(約40円)のお金を出し合って、村の共同口座に貯蓄。作物の栽培費にあてるとともに、収穫までの間、食材購入の資金を必要としている家庭に割り当てるなど、お互いに助け合う仕組みを作りました。
2013年10月には、トウモロコシ、トマト、キャッサバを植え、作物ごとにグループを作って共同で管理。トウモロコシ、トマトは、3ヵ月後の2014年1月に収穫できました。キャッサバは10月に収穫予定です。さらに次はピーマン、きのこなどを栽培する計画で、収穫した野菜類は、子どもたちに欠かせない貴重な栄養源になります。
母親たちが自ら計画し、行動を起こしたことは、自立に向けての大きな一歩。HFWが行っている栄養改善事業の継続と、今後予定している父親の理解を促すワークショップで、家族が一丸となって栄養改善に取り組み、子どもたちの栄養状態がよくなることを期待しています。
母親たちが共同栽培したトウモロコシが収穫できた
栄養について学ぶ母親たち。イラストを使ったわかりやすい講義を熱心に聴く
Message from Benin
お母さんたち自身で、共同で野菜を栽培するアイデアを思いついた、 アソク・エリエットさん(28歳)