モリンガを見せながら住民に説明する。原産のインドのほか、東南アジアやアフリカで、葉、種、根、花、果実とあらゆる部分が、野菜、香辛料、茶、油、民間薬などに使われている
子どもの栄養改善
ベト村で行っている現地食材を使った栄養改善ワークショップで、2014年10月からモリンガ(ワサビノキ)という植物を取り入れ始めました。モリンガは、ビタミンC、ビタミンA、カリウムが特に豊富で、牛乳の約4倍のカルシウムや、その他必要な栄養素がバランスよく含まれています。乾燥地帯でも育つことから、多くの国際援助団体が栄養失調防止ために普及させるなど、注目されています。アフリカでも広く食されてきましたが、ベト村では、わずかに生育していたものの活用されることがなく、調理法を知らない人が大半でした。 ワークショップでモリンガの栄養と調理方法について伝えると、子どもたちの栄養不良や貧血など多くの病気の改善が期待できると聞いたお母さんたちは、興味津々。効用について質問し、調理の実演を熱心に見ていました。
子どもたちの栄養改善と大人の健康維持に役立てられそうなモリンガ。しかし、村で日常的に食べられていない食材なので、各家庭で定着させるためには、定期的にモニターするなどの仕組みを作る必要があります。また、食材を買うためには、家計を握っている父親にも理解を求めることも不可欠です。5月に父親に、子どもの栄養について伝えるワークショップを行いましたが、今後も、モリンガの情報を加えた父親対象のワークショップを実施していく予定です。 さらに、2015年度には村の住民が継続して食べられる食材になるように、モリンガの苗を植え、栽培を開始する予定です。
葉の部分を軸から手作業ではずす。葉は、ホウレン草と同じように使える
調理方法を実演。抵抗なく受け入れられるよう、住民によく食べられているメニューに取り入れている