食料を購入し備蓄庫から運び出す住民
ブルキナファソでは、各郡に最低1つは国が建設した食料備蓄庫があります。農作物の収穫の少ない5月から9月の間に、地域の貧しい世帯へ備蓄した食料を安く販売し、食料を保障する役割を担うはずでした。ところが、地域住民が訪れても、食料がなかったり、あっても裕福な人が優先的に購入したりするなど、本来の貧しい住民のための備蓄庫という役割を果たしていませんでした。
そこでHFWは、運営を任されている郡の担当者に、この備蓄庫に本来の機能を持たせるよう申し入れをしました。何度も粘り強く足を運んだ結果、これまでの担当者は更迭。体制が一新し、倉庫にトウモロコシやソルガム、ミレットなどの食料が十分に補充されるようになりました。
HFWはさらに、備蓄庫で販売される大袋に入った食料を、住民が購入しやすいよう小分けにして値段を抑えるよう要請。しかし、これは手間と経費がかかるため聞き入れてもらえませんでした。そこで、HFWは住民たちで共同購入するようにアドバイス。これまで値段が高くて購入できなかった人も、食料を入手できるようになりました。毎年7、8、9月は特に家庭での備蓄がなくなる厳しい時期ですが、今年は備蓄庫で食料を安く調達でき、1日1食しか食べられないという事態も避けることができました。
HFWはさらに1月から備蓄庫のモニタリングを強化する予定で、備蓄食料が減ってきたら早く買い足すよう依頼したりしていきます。また、今後は量だけでなく、備蓄される食料の種類や保存状態など質も確認していく予定です。そして徐々にモニタリングを住民自身でできるようにしていきます。
今回の改善は、活動地だけでなく備蓄庫を利用する郡の住民全体に好影響を及ぼします。さらに、今回のケースがモデルとなってブルキナファソ全土の備蓄庫の改善に波及していくことが期待できます。