2019.11.01 ブルキナファソ
憲法に「食料への権利」が記載された後を見据え、政策の予算策定に影響力を持つ関係者と議論。実効性のある政策実施への足掛かりに
専門家による予算の分析と評価、それに基づく意見交換が活発になされた
7月25日、26日の2日間にわたって、ブルキナファソの首都ワガドゥグのホテルで、国民の「食料への権利」を実現させるための費用を国家予算にどのように組み込むか、HFWが関係者を招き検討する会議を主催しました。
HFWが招待したのは、農業省、保健省、家畜省、財務省、環境省の財務部門の役人、人権委員会メンバー、国会の予算財政委員会、国家食料安全保障理事会の事務局、栄養相談全国協議会、「食料安全保障と栄養のための議員ネットワーク」の議員、農民連合メンバー、他NGO、食料安全保障と栄養分野のジャーナリストなど、予算策定に影響力を持つ人や食料政策に詳しい人など計20名です。
HFWは、ブルキナファソで改正される憲法に「食料への権利」が盛り込まれるよう働きかけ続けてきました。今回の会議は、具体的な政策を実施するための国の予算が適切に組まれることを意図したもので、憲法に記載されるその後を見据えた活動です。
この会議の目的は、次の4つです。
1.過去10年間のブルキナファソの食料安全保障のために割かれた予算の動向を把握する
2.すべての州の食料分野の取り組みについて評価を行う
3.新しい憲法をふまえ、事業と予算を改善する方法を提案する
4.国の短期、中期、長期の取り組みのロードマップを提案する
まず、HFWが依頼した3名の専門家が、「ブルキナファソでの『食料への権利』実現における実行者の権利と義務、責任」「『食料への権利』を促進するための予算について」「ブルキナファソにおける『食料への権利』実現のための法律について」プレゼンテーションを行い、ブルキナファソは国として飢餓や貧困をなくす国際的な条約に加わっており、食料や農業に割く予算は増加していること。その結果、貧困率は下がっているものの、まだ十分ではないこと。州の予算も農業関連への支出が11%から15%に増加(2005-2015)しているが、さらに60%以上の資金調達が必要なことを参加者は共通認識としました。その後、参加者で活発な討議を行いました。
そして最後に、今後のロードマップについて議論しました。議員らに働きかけるとともに、首相に提言書を提出することを決定しました。提言の内容は、食料を保障する法律を策定し、食料安全保障と栄養の国家政策を促進するようさらに予算をかけること、実施者の能力強化を行い、成果が確実に得られるようにすること、管理運営費は極力削ることなどです。
今回作られた具体的なロードマップに従って今後活動を進めていく予定です。
YEHメンバーもオブザーバー参加し、予算の現状や改善ための筋道、重視すべきポイントなどについて学んだ
HFWの積極的な取り組みはすばらしいです。HFWは地域開発の分野で成果を収め、次の段階として国に実効性のある政策のための予算を割くことに対しての活動に着手しました。このワークショップは大きな意味を持つと思います。多様な人たちとの取り組みは相乗効果を生み、より大きな成果を得ることができるでしょう
コーディアッティ・ディディエさん(NGOオランダボランティア財団代表)