「食料への権利」について、体系的に学ぶ研修を実施。その後、3つの組合で住民たちが行動を起こしています : 飢餓のない世界を創る国際協力NGO ハンガー・フリー・ワールド HUNGER FREE WORLD     

活動レポート ブルキナファソ

2020.02.26 ブルキナファソ

「食料への権利」について、体系的に学ぶ研修を実施。その後、3つの組合で住民たちが行動を起こしています

127名の女性を対象にHFW職員が解説。「食料への権利」についてよく理解できたという声が寄せられた

2019年11月22日に、HFWは活動地のピシ村で、協同組合に対する「食料への権利」の研修を行いました。
これまでもHFWは2013年から「食料への権利」についての啓発集会を開催し、2017年からはより丁寧に伝えるために戸別訪問などきめ細かな活動を続けてきました。今回の研修はさらに「食料への権利」について体系的に学ぶことで、その実現のために住民が自ら課題を意識し、解決に向けた行動を起こせるようになることを目的としています。

ピシ村のほかにワムテンガ村、ウェドビラ村、ゴムトアガ村の4つの協同組合から計127名の女性が参加。HFW職員が講師として「食料への権利」について次の3つのポイントに分けて紹介しました。
1、「食料への権利」とは何か(「食料への権利」の歴史、定義、政府の役割)
2、「食料への権利」を実現させるための個人の役割・義務
3、「食料への権利」を妨げている村の現状の共有と、改善のための取り組み

まず、「食料への権利」の背景や定義を解説し、その権利を国民が実現できる環境を整え、災害や紛争下などの国民自身では実現が難しい状況においてはそれを守る責務が政府にあることを確認しました。(「食料への権利」とは参照)

そして、家庭における「食料への権利」実現を妨げる行動として、次のような事例を指摘。これらを改善するように働きかけました。

・食料を生産する耕作地を売ってしまうこと
・土壌を衰えさせる農薬を過剰に使うこと
・収穫した穀物を食用に取っておかずに市場で売ってしまうこと
・家族が食べる食料作物の栽培よりも、換金できる作物の栽培を優先させること
・罰として子どもに食事を与えないこと

また、村全体の課題としては、女性の地位向上の必要性が挙げられました。たとえば、土地の所有権が女性にはないため、夫が亡くなると夫の兄弟が土地を相続し、妻には作物のあまり育たない土地しか与えられなかったり、土地が販売されることに反対できなかったりしています。また、穀物のストックを管理する権限も女性にはありません。

これらについて、参加者の女性たちからは、次は男女合同で研修を開催してほしいとの声が上がりました。「食料への権利」を実現する村の政策や慣習を決定するのに必要な共通理解を、伝統的に力を持つ地域のリーダーや行政を含めた地域住民全体で形成できるようにするためです。

今回の研修によって、参加者たちは「食料への権利」をよく理解し、自分たちの環境に照らし合わせることで、身の回りの課題を解決するために家庭や地域において何をしていかなければならないかを強く意識するようになりました。研修に参加した4つの組合のうち3つの組合で、上記に挙げたような「食料への権利」の実現を妨げる行動をとらなくなっていることが確認できました。

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