国の予算策定関係者らに「食料への権利」の重要性を認識してもらい、短期・中期・長期的な活動について話し合った
3月22日と24日、ワガドゥグのホテルの会議室で、国家予算に国民の「食料への権利」を実現するための予算を盛り込むための会議をHFWが主催しました。参加者は、農業省の事務局、女性省・保健省・畜産省・財務省・環境省・水利省の各統計局、情報研修予算研究センター、首相官邸の農村開発局、食糧安全保障評議会の事務局、農業会議所、土地と農村組織総局、農村経済促進総局などの職員と、他NGO、農民団体などのメンバーと5名のYEHです。政府各省庁の管轄する分野の課題を共有することで、それぞれの責任を明確にし、解決のための意識を高め、各省庁に「食料への権利」実現のための予算を確保してもらう狙いがあります。
1日目は「食料への権利」の概念が生まれた背景(参考:「食料への権利」とは)と課題、実現に対して国が負う責任の法的な枠組みと、それを機能させるための関係者の役割―政府だけでなくNGOなどの市民社会組織などさまざまな立場の人々が行うべき活動―について話し合いました。2日目はブルキナファソが2027年までに実現をめざす持続可能な食料と栄養の確保のために、解決しなければならない課題(下記)と今後への展望について話合いました。SDGsのゴール2の目標を推進すること、経済を構造的に変革して雇用を安定させ、社会福祉を向上させること、持続可能な生産と消費に基づき雇用の創出を一層意識した食料安全保障部門を育成すること、憲法に「食料への権利」の条文を盛り込むことなどが今後の取り組み例として確認されました。
具体的な活動として、「食料への権利」について国民の理解を深めるテレビ討論や、法律採択に向けたアドボカシー活動、食料の安全保障と栄養に関する関係者の役割を明確化させた「食料への権利」実現のための行動計画の策定、保健、インフラ整備、農業といった財源の異なるさまざまな部門の予算と支出の分析と政府への定期的な提言、食料の安全保障と栄養に関する国家政策に対するNGOなどによるモニタリング、政策の開発・モニタリング・評価などさまざまなプロセスへのアドボカシー団体の参加、食料の安全保障と栄養に関する非政府関係者に対する各分野の情報収集研修の実施などが予定されています。
今後も政府の担当者との関係を保ち、政府とNGOらが一体となって「食料への権利」を実現させるよう活動をすすめていきます。
話し合われた課題
・肥料や改良種子を使用し作物生産量を向上させる
・12年間で耕作地の6%しか普及していない農業の機械化を推進する
・換金用の作物と自宅で食料として消費する作物とのバランスをとる
・自給自足できる世帯が、41%から悪化傾向にあるのを改善させる
・上昇傾向にある食料価格を安定化させる
・全国で74%の人々しか安全な飲み水を入手できない状況を改善する
・衛生的な環境を整備する
・増加しているテロからの国内避難民に対応する
参加者の声
HFWが省庁の予算策定の責任者らに議論を交わす機会と情報を提供したことで、「食料への権利」の実現のために農業省の予算が割かれるでしょう。
シセ・ネー・シーラ・アミナタさん (農業省事務局員)
大きな変革が期待されている私たちの省にとって、今回の会議は憲法に記載されるであろう「食料への権利」を実現するための主要な足掛かりになります。話し合われた3つのテーマは、私たちの部署で作成される活動のアイデアの源になると思います。
ロンポ・ダニエルさん(水力計画と灌漑開発総局職員)