夫向けのワークショップ。お腹にレンガを布で巻きつけ、妊婦の大変さを疑似体験してもらう。日本の父親教室が参考に
乳幼児と妊産婦対象の栄養改善・指導
乳幼児と妊産婦の栄養改善・指導は2013年6月より第2期が始まりました。第2期は1年に70名ずつを対象に2年にわたって実施します。多くの家庭では世帯収入が100タカ(約130円/2014年8月現在)を下回り、妊娠していても十分な食事がとれません。彼女たちは「体に力が入らない、頻繁にめまいがする」などの体調不良を訴え、流産の経験も多かったのです。
第2期1年目の対象者は、最も栄養状態の悪い17歳から32歳までの妊婦21名と授乳婦49名。週6日栄養補助食を提供し、栄養の知識や母乳育児、衛生環境の大切さを助産婦が指導。週1回はBMI値を測り、健康相談にのりました。また、家庭でも栄養がとれ、さらには収入を得る手段になるよう、家庭菜園と鶏の飼育を支援。また、対象者の夫と義母向けにもワークショップを実施しました。お嫁さんがHFWから学んだことを実践しようとすると、調理方法や家事のやり方が今までと変わり反対されてしまので、家族に理解を求める必要がありました。
この1年にわたる事業の結果、過半数の妊産婦たちのBMI値が向上。BMI値以外にも細かく健康状態を確認しており、値が大きく変わらない妊産婦でもめまいや頭痛などの症状が改善され、集中力が増して何事にも前向きになったことが報告されました。
さらに第2期は、2012年からの第1期より広く地域全体の栄養向上をめざし、7つの小学校で食育の授業や、地域で大きな影響力を持つリーダーにワークショップを実施。また新聞記者たちを事業地に案内し、多くの新聞で紹介してもらいました。今後は、この事業の講師用マニュアルを他の地域の行政機関や、教育機関、NGOなどへ配布することを予定しています。成功ノウハウを他地域へも積極的に伝え波及効果を図ります。
第2期2年目となる2014年度は17歳~30歳までの妊婦33名と授乳婦37名が選定され、順調に進んでいます。
※この事業は、味の素「食と栄養」国際協力支援プログラムの助成を受けています。
小学校の食育の授業にて。食前に手を洗う大切さと洗い方を教える
事業が紹介された新聞記事。地方紙6紙で取り組みの詳細が紹介された
Message from Bangladesh
ジャスミン・ベグムさんとその夫のアブドゥス・サッタ―さん(カリファプール村)
Message from Bangladesh
以前、私は頭も体も、どこもかしこも鈍く感じて自分の周りで何が起こっているかよく理解ができず、生きていく活力を奪われているようでした。家に歩いて帰る途中で疲れ果てて何度も座り込んでいました。いつもめまいがして気持ち悪く、子どもに母乳を与えることもできません。私にとって、世界は何の意味も持っていなかったのです。 HFWが事業の対象者を募っているということもまったく知りませんでした。それでも私を見つけ出し、栄養補助やすばらしいトレーニング、さまざまな情報を提供してくださったことに、本当に感謝しています。HFWは私を救い、私に人生の意味を取り返してくれました。
サビナ・ベグムさん(25 歳 シパイカマット村)